マンガ劇的救命日記

2018年07月02日 18:38

劇的救命日記の第11話が
掲載されています。

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劇的救命日記11話 - コピー

額にバンドエイド 前編

2018年07月02日 14:51

ゴールデンウィーク、
八戸ERはほぼ全員出勤で、押し寄せる救急患者に対応している。
私は今日もヘリ番だ。

午前10時29分ドクターヘリ要請
○戸町から。
10時34分離陸。
ヘリ番は私と田中医師。
田中医師は昨日ドクターカー番。

水田にはまだ稲は植えられていないが、
あと1^2週間で水が張られた水田に若草色の苗が植えられるはずだ。
自宅でガタンと物音を聞いた兄が見に行くと、
妹が倒れていて意識がない。

10時42分救急車が先着していたランデブーポイントの駐車場に着陸した。
我々はすぐに救急車に入った。
50歳代女性が昏睡状態だ。
血圧は209、呼吸数20、脈拍70、血糖119、酸素飽和度は99%
麻痺の有無は判定できない。
診察中にも徐々に動くようになった。
痙攣か失神の疑いを持った。

10時54分患者をヘリコプターに収容後に離陸する。
ドクターシートン座る私の膝の前には、
女性が横たわっていた。
瞳孔径を見るために開眼した。
右額にバンドエイドが貼られていた。
その時は特にそのことに注目はしなかった。
11時ちょうどドクターヘリは八戸ERへ着陸した。
握手はしないが、痛みを払いのけるくらいに意識は回復した。
ERには昨日日当直の今野副所長がまだ残っていた。
ゴールデンウェークで込み合っているERの手伝いを居残りでしていた。

私が痙攣と思ったこの女性の額のバンドエイドを見つけて指さす。
「このバンドエイドは?」
・・・・
「外傷だと思った」
後に今野副所長はこう言った。
家族は、頭のケガについて何も言っていなかった。
(続く)

漁港名がわからない 最終

2018年07月01日 18:28

ランデブーポイントの漁港は広くて使いやすい。
人払いも容易で、場合によっては、
消防の支援がなくても着陸できることもある。
今回、ヘリコプターで上空から漁港名が認識できなかった。
北三陸リアス海岸にたくさんある漁港だが、
陸上の道路にははっきり標識があるので、
救急車は間違うことはない。
しかし、
空から降りるヘリコプターからは、
漁港名がわからない。
ヘリコプターを下りた我々は救急車の方向へ走る。
大災害時に、
漁港がヘリポートになることもある。
そんな時、
遠方から救援に来るヘリコプターの機長にもわかるように、
漁港の防波堤に名前が書いてあればいい。

漁港名がわからない その4

2018年06月30日 18:26

白車の到着を待ち我々はヘリコプター機外へ出た。
そして、救急車内で診察を開始した。
「アナフィラキシーショックに対して
アドレナリン筋肉注射です。」
佐々木医師は患者の太腿外側の筋肉へ
筋肉注射した。

輸液を開始して、
女性はヘリコプターへ乗せられた。
直ぐに離陸し、八戸ERへ向かう。
飛行中の機内通話で
「呼吸が苦しかったのが、よくなりました」女性

この日八戸の気温は30度を超えた。
5月中旬に気温が30度を超えるのは、
史上初と言う。
暑さにつられて、
スズメバチも活動を始めたようだ。

快晴の八戸上空、
ヘリポートの周りでは、
強い日差しが緑の芝に注ぐ。
午前中は、フライトスーツの中にTシャツを着ていたが、
昼には、脱いだ。
高度を上げるヘリコプター内では、
太陽に近づく分、
日差しが強くなる。
機内は暑くなる。
(続く)

漁港名がわからない その3

2018年06月29日 18:24

整備長は、消防八戸へ無線を入れた。
「傷病者発生場所はどこか」
すぐに答えが返ってきた。
EC135は北に飛行した。
わずか1分、北リアス海岸線を北上すると、
大蛇小学校だ。
この近くだと言う。

われわれは、患者発生場所を上空から探した。
もし探せれば、
最短距離の小学校か漁港に着陸する。
佐々木医師が見つけた。
「9時方向に赤車発見」
整備長も「赤車の後ろに白車も発見」
機長は発生現場上空にヘリコプターを移動させる。
空の移動は15秒くらいでできる。
整備長は、消防八戸へ無線を入れる。
「現場直近は、大蛇小学校だが、
ココも運動会の準備中。
グラウンドに白線が引いてあります。
代わって着陸地点を大越漁港はどうでしょうか」
整備長は手元の地図帳で漁港の名前を確認し、南から3番目、4番目と数えて、
漁港名をさらに肉眼で確認しようとした。
しかし、漁港名のペイントはどこにもない。


救急車からは、直近の漁港上空を旋回するドクターヘリが見えていた。
そして、高度を下し、
着陸態勢に入ったEC135を目で確認していた。

ドクターヘリは、漁港の端の人けがない防波堤手前の空き地を目指す。
「もう少し前に入って」整備長の声で
機長はヘリコプターの静止位置を5m前に修正する。
「テールクリア」整備長は、
フェネストロンタイプの尾翼が防波堤内の平地へ入ったことを目で確認した。
機長は高度を下す。
そして、コンクリートの上に2本のスキッドを接地させた。

漁港の入り口に赤車が到着した。
2分後に白車が到着した。
(続く)