パーキンソン病とALSを治せるようになる

2018年07月14日 18:20

読売新聞からです。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180713-OYTET50004/

パーキンソン病は50歳以降の発症が多く、
国内患者数は推定約16万人。
薬での治療が一般的だが、病気が進むと効きにくくなる。
ALSは50~60歳代の発症が多く、
国内患者数は約9500人。
進行すると、歩行や呼吸が困難になる。

運動障害などを引き起こす難病「パーキンソン病」や、
全身の筋肉が衰える難病「筋 萎縮(いしゅく) 性側索硬化症(ALS)」の患者に、
正常な遺伝子を投与する遺伝子治療の臨床試験(治験)を、
来年にも自治医科大などのチームがそれぞれ始める。
1回の治療で長期間、症状改善や病気の進行を抑えられる可能性があり、
数年後の治療薬の実用化を目指している。
 遺伝子治療は、
人工的に作った正常な遺伝子を患者の細胞に組み入れ、
病気を治療する。
遺伝子を細胞に送り込む「運び役」として、
安全性の高い医療用ウイルスなどが使われる。
 パーキンソン病は、
脳内で運動の指令を伝える物質「ドーパミン」が十分に作れなくなり、
体が震えたり動きが鈍くなったりする。
治験では、複数の正常な遺伝子をウイルスに入れて作った治療薬を、
患者の脳に注入する。
一部の遺伝子を患者の細胞に注入する臨床研究では、
目立った副作用はなく、運動障害の改善もみられたという。
 また、ALSは特定の酵素の減少が筋肉の萎縮にかかわっているとされ、
治験ではこの酵素を作る遺伝子を入れた治療薬を脊髄周辺に注入。
世界初の試みだが、
マウスでは、病気の進行を抑える効果が確認されたという。
いずれの治療薬も、
チームの村松慎一・自治医科大特命教授らが設立した
ベンチャー「遺伝子治療研究所」で製造する。
村松氏は「どちらの病気も遺伝子治療薬はまだなく、
なるべく早く実用化したい」と話す。

村松慎一・自治医科大特命教授は私の同級生です。

新井田川

2018年07月12日 18:26

夏です、北国も。
八戸も暑くなりました。
でも、前橋や熊谷の比ではないですが。
八戸新井田川鏡面像

病院の隣の新井田川にいだがわ
です。
とてもきれいです。

東日本大震災の時は、
この川に津波が上がってきました。

痙攣重積 最終

2018年07月11日 18:09

伊沢医師に私は告げる
「呼吸の深さを見て、
浅くなったら、バッグバルブマスクで補助呼吸を開始してください」
私は、ナースに、
「さあ、今だぞ。
血管確保は」
先ほどまでと違いぐったりした上肢に、
わたしは、再びゴムで駆血をして、
20G留置針を入れた。
ジアゼパムが効いていた。

米国の痙攣重積のガイドラインには、
ジアゼパムまたはミダゾラムIVとある。
第2選択薬にフェニトインがある。
フェニトン(アレビアチン)の注意点で、
あまり知られていないことがある。
中毒による痙攣には使わないほうがいいという事。

例えば、三環系抗うつ剤や四環系の過量による中毒性痙攣に使うと、
不整脈を起こし、さらに心室細動になることもある。
だから使わない。
テオフィリン(ネオフィリン)は喘息に時に、使用することがある薬剤。
アメリカのガイドラインでは喘息に使われない薬だが、
日本ではまだ喘息に使われえている。
血中濃度が上がると痙攣をおこすことが問題となっている。
テオフィリン中毒による痙攣には、
フェニトインは無効である。
だから使わない。

患者は救命救急センターに入院した。

痙攣重積 完

痙攣重積 その5

2018年07月09日 18:08

さて、患者の様子はどうなのかと思いながら、
停車した救急車に走ってゆく。
救急車の後ろのハッチドアを3回ノックして開けた。
予想と違っていた。
救急車のストレッチャー上に、男性が寝かせられていた。
両方の腕は曲がり、小刻み震えていた。
顔も震えていた。
目は閉じていた。
痙攣重積だ。
意識が戻らないうちに、
短時間にけいれんを繰り返すことを痙攣重積という。
早く痙攣を止めることが、、後遺症軽減に結び付く。

私は、ナースにジアゼパム5mg注射器に詰めてという。
ナースは、黄色い液体を1mlを2.5ml注射器に詰めた。
ジアゼパムは10mgが2mlだ。
救急で使う薬は、1mg1mゃ10mg1mlが多いが、
ジアゼパムは違う。
だからナースへの指示は
5ミリではだめ。
しっかり5ミリグラムと伝える。

私は、男性の右腕を引っ張り、伸ばす。
右腕の手首あたりを私の両膝の間に挟み硬く固定した。
ゴムの駆血帯を肘の上5cmくらいに巻いた。
アルコール綿で肘をこすると、
青い静脈が浮き出た。
ナースはジアゼパム5㎎が入った2.5ml注射器に青針を付けて渡してくれた。
私は、肘静脈に針を刺す。
注射器の押し子をわずかに引くと陰圧で血液が逆流する。
素早く
ジアゼパム5㎎を直接静注した。
直ぐに針を抜く。
使用済みの注射器は、黄色の針ケースに捨てる。
黄色い液体が静脈内に入ると、
約5秒で上肢のツッパリがとれ始める。
10秒後には私の両ひざでの挟み込んでの固定は不要となった。
(続く)

痙攣重積 その4

2018年07月08日 18:06

私は、おいらせ救急に無線を入れた。
地上を走っているはずだ。
ドクターヘリとのランデブーポイントは三菱製紙工場駐車場。
そこに向けて走っているはずだ。
「八戸ドクターヘリ11よりおいらせ消防1どうぞ。
痙攣が止まっているなら、
ドクターヘリをキャンセルしてもいいですよ、どうぞ」
「・・・・」返答はなかった。

機長は
「着陸します」
駐車場には、吹き流しを上げた赤車が端に止まっていた。
EC135はゆっくりと、斜めに地上にむかった。

着陸の宣言のあと、整備長が左前ドアから降りた。
そして、後部左ドアを外から開けてくれた。
救急車はまだ到着していない。
メインローターは急激に回転数を落としている。
もう、4枚羽を確認できるくらいにゆっくりと回っていた。
機長は操縦席の天井にある、
ビールの栓抜きのような形のレバーを引いた。
メインローターのブレーキだ。
15秒後メインローターが止まった。
我々は外に出た。
5秒後に救急車のピーポーサイレンが近づいてきた。
痙攣が止まったのなら、ドクターヘリキャンセルでいいよ、
と救急隊に無線を入れいてたが、
その返事はなかったことを思い出す。
安定しているのか、
それとも悪化か。
無線に出られないこたは、
心肺蘇生中なのか。
痙攣は心室頻拍の症状だったのか。
最悪のことを念頭に入れる。
(続く)