49歳男性CPA 前編

2017年04月11日 18:39

男性は仕事で八戸に来ていた。
市内のビジネスホテルに宿泊した朝。
チェックアウトの時間になり、
準備をしているときに、
何とも言えない胸部の痛みと
冷や汗が出た。
男性はフロントに電話した。
ホテルマンはすぐに7階の男性の部屋を訪れた。
男性はベッドに横になっていた。
明らかに病気だと思った。
それも重症。
10:08 ホテルマンは 119通報した。
10:10 八戸消防は救急車とポンプ車を同時に出動させた。
ホテル7階からの移動には手間取ることが多い。
ドアが狭い。
エレベーターが狭い。
場合によてはストレッチャーが使えない。
大きなホテルだと、客室から玄関前の救急車まで距離がある。
現場にはマンパワーが必要だ。

10:16救急車はホテルに到着した。
ホテルマンはエレベーターを確保していてくれていた。
7階までエレベーターで上がった。
予想通り狭いエレベーターだ。
10:17救急隊は客室で患者に接触した。
第一印象はショック。重症。
隊長はドクターカーを要請した。
酸素投与開始。
胸痛と背部痛を訴える。
かろうじて名前を言えた。
救急隊とポンプ隊は患者の搬送に取り掛かった。
ところが
患者の意識が落ちる。
そして呼吸が普通でなくなった。
顎だけが上がるパクパク呼吸、
医学用語で死戦期呼吸だ。
下顎呼吸ともいう。
これは呼吸停止。
心臓停止の時に現れる。
顔色が悪くなる。
痙攣をおこした。
隊長は搬送をいったん止めて、
呼びかけた。
反応なし。
痙攣の時に最初にすることは
脈の有無を見ること。
頸動脈と鼠径部の脈をみる。
頸動脈が触れない。
CPAだ。
すぐにCPRを開始した。
CPRしながら救急車内に収容した。
AEDを装着した。
解析では心室細動だ。
(続く)

59歳心肺停止から社会復帰 最終

2017年04月09日 18:54

貫和医師はERに電話する。
「59歳男性、心原性CPA.電気ショック1回で心拍再開しました。
心臓カテーテル室の準備をおねがいします」
電話を切った貫和医師は
心電図12誘導検査、
心臓超音波検査、
採血を揺れる救急車の中で行う。
心電図はインターネットで八戸ERへ送られた。
21:47救急車は八戸ERに到着した。
呼吸も出てきた。

星空の駐車場にて心肺停止で発見された24分後に、
心拍再開して病院に到着する。
こんな町がほかにあるだろうか。

患者は心臓カテーテル室に移動した。
そして低体温治療が開始された。

12日後、
男性は元気に退院した。
現場でCPRした市民に感謝。
そして
救急隊長は高橋義一救急救命士だ。
実力ある救急救命士。
私が育てた。
この街は安全。

劇的救命!


59歳心肺停止から社会復帰 完


59歳心肺停止から社会復帰 その2

2017年04月08日 18:53

屈強な体のポンプ隊員は、全力で走る。
そして、かなり重いオートパルスを肩に担いて、
自分の呼吸数が戻る前に、
再び、走る。
21:32隊長は自動胸骨圧迫器オートパルスを装着した。
遠くにピーポーサイレンが聞こえる。
21:34貫和医師が乗る希望のドクターカーが到着した。
3名の救急隊と3名のポンプ隊で患者を救急車に移動させる。
オートパルスが正確に胸骨圧迫してくれた。

21:37救急救命士は気道チューブを入れた。
これにより人工呼吸器が使える。
そのことで、手が空くので別な処置が可能となる。

同時に貫和医師は静脈に針を刺した。
生理食塩水の点滴を開始した。

そしてアドレナリン注射の準備が終わった時、
21:40 AEDからメッセージがでる。
「解析します。離れてください」
隊長はオートパルスの作動の一時停止ボタンを押した。
貫和医師は、
わずかな隙を見て頸動脈を触った。
「脈あり、心拍再開しました。21時40分」
続けてAEDから
「ショックは必要ありません。
呼吸と循環を確認してください。
必要ならCPRを始めてください」
頸動脈が触れる。CPRは必要ない。
21:41救急車は現場を出発する。
現場滞在時間12分だ。
時間節約のためには
マンパワーを惜しまない。
現場時間は目標15分以内だ。
達成できていない地域が多い。
その一つは、収容病院への電話連絡と、
収容不能、別な施設への電話。
八戸ドクターカー出動で八戸市立市民病院収容は
100%近い。
だから早い。
「ドクターカー出動し、
医師が現場で活動すると、
現場出発時間が遅れる」
そんな地域もある。
だが、八戸は違う。
ここでは、早い。
救急隊、指令課、ポンプ隊、ドクターカー、すべて
時間を意識する。
現場時間15分。
(続く)

59歳心肺停止から社会復帰

2017年04月07日 18:51

59歳男性、スーパーマーケット駐車場で倒れた。
目撃なし。
店の客が倒れている男性を発見した。
反応なし。
客は店員に知らせた。
そして自らCPRを始めた。
星空の下で。
21:23 119通報が八戸消防に入った。
「倒れていて、呼びかけに反応なし」
21:25救急車とポンプ隊、八戸ドクターカーが1台ずつ出発した。

21:28救急隊とポンプ車はほぼ同時に到着した。
隊長の救急救命士は患者に接触した。
客によりCPRが行われていた。
脈なし、呼吸なし、意識なし、
CPAだ。
隊長の観察と並行して、
AEDがつけられた。
21:30「電気ショックが必要です」のメッセージが流れた。
隊長は、人を離して、赤い点滅の電気ショックボタンを押した。
すぐにCPRを開始する。
今度はバッグバルブマスクで人工呼吸を間に入れた。
胸骨圧迫30回と人工呼吸を2回の組み合わせだ。
バッグバルブマスクによる胸の上がりはよかった。
換気は良好だ。
消防本部からドクターカーはまもなく駐車場に到着する無線が入った。
CPRは続けられた。
自動胸骨圧迫器オートパルスが必要だ。
これにより、地面から救急車までの移動中もCPRが行える。
隊長は救急車と傷病者の距離を気にしていた。
移動中のCPRの質の低下を気にしていた。
自動胸骨圧迫器オートパルスがあれば、
それがうまく行く。
隊長はそのために、少し前に、
ポンプ隊員に、オートパルスを救急車からもって来るように指示していた。
(続く)

劇的救命書道パフォーマンス

2017年04月01日 16:25

八戸救命のブランドメッセージ
「劇的救命」を
https://youtu.be/78wvcMhuK5w

八戸東高校の書道部9名が、
美しく、力強く、素早く、書いてくれました。
劇的救命書道2

病院玄関ホールに集まった、
患者さん、市民、職員、みんな
劇的救命書道3


「いいねえ」を連発していました。
劇的救命書道1

ついでに私も写真に入れてもらいました
劇的救命書道4

今年の日本航空医療学会のポスターは
八戸東高校書道部の作品です。
第24回日本航空医療学会ポスター小さい青_page0001