もう一人の脳死男性 後編

2012年04月24日 12:09

数時間後もう一度説明する。
「やはり、進展はありません。」
「あきらめました」家族
「脳死臓器提供の手術の説明をきくことができます」
家族で帰宅し話し合うことになった。
臓器提供コーディネーターの説明を聞くことになった。

吉村医師は青森県庁の鈴木洵子コーディネーターは電話した。
鈴木コーディネーターは、
青森市から八戸市立市民病院救命救急センターに向かってくれた。
彼女の話は丁寧だった。
家族の大半は臓器提供に肯定的に思われた。
でも、時間をかけて話し合ってもらう。

患者の呼吸と循環はOK.
時間的余裕はある。
ゆっくりと、家族で結論を出してもらう。

翌日、家族と吉村医師の話し合いが持たれた。
家族の意見がまとまらず、臓器提供は見送ることになった。
吉村医師は、共感する。
数日後、患者は昇天した。

救命救急センターでは、劇的救命を目指した救命治療が行われる。
しかし救急医療の限界を超える重症患者が存在する。
神の手をわれわれは持たない。
そんな時は安らかに看取る。
内臓の働きがよければ時に臓器提供の話を持ちかける。
このギアチェンジが難しい。

多くの救命救急センターでは、このギアチェンジが円滑に行われていない。

若い救急医に、ギアチェンジを教えることも、われわれの役目。

八戸市立市民病院では、小児臓器提供に必要な虐待対策委員会が始まった。

三次救急施設の評価。
ドクターヘリの運用とその質。
外傷診療の質。
脳死臓器提供の実践。

青森県では、10月からドクターヘリが2機体制になる。
1機は青森市。
もう1機は八戸市。
共に、手をとりながら、質の高い三次救急施設を目指したい。
(もう一人の脳死男性 完)


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