肝損傷 その3

2012年02月27日 23:15

オレンジ色のバックボードのままでER1ベッドに入室した。
先ほどまで、別の交通外傷の子供が寝ていたベッド。
この子供もドクターカー出動事案だった。
子供はいま、骨折手術中。

患者の両側、頭側、足側からベッドに群がる救急医たち。
劇的救命を学びに全国から集まる救急医たち。
見学学生は圧倒されてすこし遠ざかる。
学生に付き添う3年目比嘉医師が実況中継してくれている。

輸液は全開、病院前で500ml終了。
ER入室時、血圧50/21、脈拍140、呼吸数40、
意識は眼をつぶっている。
声は出ない。
収縮期血圧が落ちる。
意識が悪くなる。
ショックのクラス3.
出血量は30%以上。
50kgの女性なら約1Lの出血。
輸血が必要。
直ぐに止血できなければ、
そのままショック4に進む。
ショック4は、出血量40%以上。
50kgの女性なら1.5Lの相当。
昏睡になる。
死に近づく。

安部医師は輸血の準備を宣言した。
「O型プラス、緊急輸血。8単位用意して」
「気管ソウカンするよ、麻薬のフェンタネストを用意して」
安部医師は続けた。
外傷気管ソウカンは、
1気道閉塞
2肺損傷で酸素化不良
3意識障害
4重傷頭部外傷
5重傷ショック


患者の状態は最悪に近づくのが、心電図モニターの心拍数のカウントの速さ全員に伝わる。
「やばい・・・・」安部医師
麻薬を注射する前に
意識がなくなった。
動かなくなった。
ショックが進行している。
ショック4だ。
ER入室10分だった。

気管ソウカンは吉岡隆文医師が決めた。
両側から、血型判定前のO型血が輸血開始された。
吉村医師、丸橋医師が注射器で血液を吸引し、直ぐに患者に押し込む、
急速輸血パンピングを開始した。
輸血は加温装置をつけている。

「出血源はどこだ」私

(続く)


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