診療拒否 その3

2012年02月01日 18:07

「ノーブレーキ事故かあ、
6Sだ。」私
単独自動車事故、ノーブレーキの場合は、下記の病態を鑑別する。
6つのSの頭文字をとって6Sと覚える。
Sake:酒
Sleep:居眠り
Syncope:失神
Seizure:けいれん
Sugar:低血糖
Suicide:自殺企図

先ほどまで暴れていた女性の足の長さに違いがあることが分かった。
左の下肢が外旋+短縮。
股関節脱臼の印。
わたしは、応援医師を集めた。
まずは、一番勤勉な原医師
彼は、朝出勤が早い。
この時間はすでに、朝の指示出しが終わっているはず。
「原先生、ER応援お願い」私
彼は詳しくは聞いてこない。
「はい、直ぐ」原
20秒後、自動ドアから原医師が現れた。

モニターでは、血圧低下のアラームが鳴っている。

「緊張性気胸、骨盤骨折、大腿骨折脱臼、ショック。
原医師は胸ドレーンを入れて、赤坂医師は気管ソウカン」私
「鎮静はフェンタネストでいいですか」赤坂
そう、鎮静剤注射は血圧低下する。
すでに、ショック。
麻薬のフェンタネストは血圧低下が少ない。
「その通り」私
ナースが動く。

吉岡隆文医師が登場した。
「先に、左胸ドレーン。
次に、骨盤レントゲン。
胸部レントゲン。
右胸ドレーン。
最後に、気管ソウカン。
一気に行くよ」私

救急隊は、両方の腕を頭側へ引っ張った。
肋骨の隙間を広げる。
原医師がメスを胸に引く。
アットいうまに、左胸にドレーンが入った。
ボコボコと空気が出てくる。
(続く)


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