日本海出動断念

2011年12月26日 20:16

日本海鯵ヶ沢町からドクターヘリ出動要請が入った。
四肢が動かない外傷。
スキー場のホテルがランデブーポイント。

青森県ドクターヘリは,八戸基地を離陸する。
ヘリ番は、私と吉村医師。

朝のドクターヘリミーティングでは、
本日日没16時12分。
午後から天候は雨に変わる。
津軽地方では、大荒れの予報。

八甲田山を越えられない。
雪雲が低い。
十和田市、野辺地町、浅虫、青森市、五所川原、鯵ヶ沢の順で飛ぶ。
時間はかかるが、唯一の飛行ルート。
心配なことがある。
「この時間は、何とか鯵ヶ沢へ飛べそうだが、
時間経過と共に雲の位置が変わる。
到達できないこともある。」機長

離陸して、間もないころ、高度405m、9時53分CSと無線が通じた。
「鯵ヶ沢消防救急1が現場」
「意識よし、血圧よし、手足に麻痺あり」救急隊は続けた。

ドクターヘリは、雲を避け、八甲田山より遠ざけた進路をとった。
十和田市の上空を高度400mで通過。
真っ白い格子模様道路が美しかった。
運がいい。
北方面の視界はとれた。
七戸と野辺地の小高い山を越えられた。
野辺地町に差し掛かる。
北の下北半島が見える。
海には、オレンジ色のほたて貝の養殖かごの浮きが無数に浮かんでいた。
正月に向け首都圏へほたて貝がこの海から出荷される。

清水川を越え、夏泊半島の山地を通過する。
高度400mだが、山との距離が近い。
100mくらいだろうか。

青森市浅虫温泉の上を通る。
リアス式海岸の沖に
5つの島が浮かぶ。
モウラ島、カモメ島、ハダカ島,ユノ島、フタゴ島。
すべて無人島。
棟方志功が好きだったのは湯の島。
私が好きなのカモメ島。
鴎の名前なのに、亀に似ている。

青函トンネル工事に使った砂利を採取した山が、
不気味な形で空に向かって口を開けている。
くぐり坂を越える。

石油タンクが見えるとそこからは
青森平野が広がる。
真っ白い水田がまぶしい。
進路は海岸に沿う。
「青森ドクターヘリ1より、青森県病どうぞ」整備士無線をつなぐ
「はい、県病ERです」女性の声
「ドクターヘリは、日本海鯵ヶ沢に向かっています」整備士
「気をつけていって下さい」
上空からは、除雪済みの県病へリポートが見えた。
周囲の積雪は1m近い。
除雪に加えて、排泄もしたはず。
黒いコンクリートがわずかに見える。
初めての冬を向ける青森市の県病ヘリポートだ。
世界1の積雪量の町。
人口30万人の町で世界1の雪。
豪雪時は一晩に、人件費や色々込みで除雪にかかる費用が2000万円を越えることもあると聞く。
2000万円といえば、
青森県ドクターヘリの1年間の県負担分だ。
<続く>


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