震災の影 太平洋漂流心停止 その2

2011年12月05日 20:01

港に入った漁船に、すぐに待ち構えていた八戸救急隊が接触した。
船名からすぐに、大間漁協の持ち主が分かった。
同時に、譲受けた男性の身元が判明し、
搜索依頼が出ていた男性本人であることがわかった。

6時36分救急隊接触時、心肺停止。
すぐに、CPRが始まる。
救急隊は、発見時の状況から、救命不能と感じたに違いない。
プロトコール通りに
AEDが付けられる。

予想外にAEDからは電気ショックが必要なメッセーシが流れた。
つまり、心室細動だ。
救急隊長はオレンジ色のショックボタンを押した。
そしてCPR.
だが男性は動かない。
車内収容し、救命救急センターへ向かう。
海に落ちた時刻はわからない。

時刻は、ドクターカースタンバイ前の早朝。

救急隊長は、瞳孔散大、低体温、
心静止。

6時56分八戸ER入室。
心電図モニターは心静止。
心静止はほとんど救命は不可能。
しかし
CPRは継続された。
ER1ベッドに町田医師。木川医師。越浪研修医。名和研修医。
総力戦を開始した。
心電図波形が変わる。
心静止から心室細動(VF)に変わる。
町田医師は、低体温症によるVFに人工心肺装置PCPS装着を宣言した。
救急隊にCPRを継続してもらう。
そして、技師に電話する。
技師は自宅にいた。
すぐに病院へ向かってくれるという。
気管挿管は、木川医師。
鼠径部の動脈と静脈に針を指すのは町田医師。
研修医は、両者の補助。

看護師が「直腸温25度です」

「手ごわいよ、PCPSが確立出来る前に、できるだけ体表を温めて」町田医師

看護師は、ベアハッガーを患者にかぶせた。
温風加温器だ。

ホットラインがなった。
あと、10分で、三沢市から、ひき逃げ事故、ショック、意識障害のJCS100患者が来る。
なんということだ、
早朝の手薄な時間帯に、重症2名。
東京の救命センターなら二人目は断るだろう。

湘南生まれの木川医師は身構える。
(続く)


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