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骨盤後腹膜パッキングと劇的救命 その2

2011年11月17日 18:17

ACLSをはじめる。
胸部の診察で異常がある。
河野医師が隊長に言う
10時22分「車をゆっくり出してください」
救急車はゆっくり進んだ。
サイレンが邪魔なのは、
気管チューブの位置確認のときだけ。
それ以外は、走る車で可能だ。
ドクターヘリとランデブーするために車は進んだ。

10時24分ドクターヘリ着陸
同時に救急車も到着。

ランデブーポイントに着いた救急車から男性を外へ出す。
そして、使い慣れたEC135へ収容する。
あやうく、河野医師がフライトドクターシートに座りそうになった。
「今日は違う.基地病院は県病」

10時34分患者を乗せたドクターヘリが離陸。
10時40分八戸着陸。

八戸ERでは、左開胸手術が始まった。
東京から見学に来ていた井中医師も参入した。

・ ・・・・・・

今日の予定手術は、腹壁閉鎖手術。
ERの外傷開胸手術を終えたころにはじめた。

骨盤骨折、胃損傷、腹膜炎、開放下腿骨折、大腿骨折、の患者。
1週間、開腹状態で管理している。

先週、田子町で起きた交通事故にドクターヘリが出動した患者。
その、ドクターヘリ出動を井中医師に私は話した。

時は約一週間戻る。

その日は、青森市にドクターヘリがいた。
田子町は青森県の一番はずれ。
十和田湖に接する。
秋田県と岩手県に接する。

田子町へ八甲田山を越えてドクターヘリは青森市から出動した。
119番通報は9時33分。
青森県ドクターヘリには119番通報とほぼ同時に要請がかかった。
9時40分離陸。
田子町へ向かう。
八甲田山を縦断する。
青森市から20分で飛んできた。
比較的早い。

天気がいいと直線で飛べるから。
ただし、出血性ショックのタイムリミットの15分には及ばない。
20分では、助けられない患者もいるかもしれない。

フライトドクターは診療を開始した。
そして、八戸救命へ電話。
「FAST陰性の腹部外傷をお願いしたい。
ショックではない」
電話に出たのはER当番も吉村医師。
「ショックではないんですね」
「ショックではない」

10時35分患者は八戸ERに入室した。
119番通報から57分。

吉村医師は叫ぶ
「出血性ショック、危ない、直ぐに輸血!」
ドクターヘリからの情報は、ショックなし。
吉村医師は、どうして、輸血の必要性を直ぐに認識したのか。
脈拍が弱い患者が暴れている!
ショックで不穏状態になるには、出血量1.5から2L.
2Lを越えると昏睡状態になる。
これなら誰でもわかる。
暴れている状態は、脳に血流がいっていない証拠。
重傷ショック。

ドクターヘリからの情報とあまりにも違う状況に、ERは騒然となる。
ヘリコプター内で急変したのだろうか。
患者は不穏状態ショック。

止血処置されていない状況では、容易にさらに出血がすすむ。
2L以上の出血になると、昏睡状態になる。
その前に輸血をする。
危機的出血では、血型判定前にO型輸血を開始する。

「O型輸血を直ぐに、4単位持ってきて」吉村医師が叫ぶ。
木川医師が検査室へ電話で緊急輸血O型を頼む。
輸液は、全開で入れる。
ER入室6分で患者は目をつむった。
「ヘルツが止まるウウウ」吉村
ヤバイ。
(続く)


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