お盆期間は大忙し ~その8 最終回

2011年09月15日 14:59

(吐血でショックに陥っていた患者は、早期治療で状態が改善。県病へ搬送)

現場活動わずか7分で、輸液500mL の投与が完了した。
男性の呼吸数は30回に減っている。いい徴候だ。

13時57分離陸。
機内通話のため、男性の耳にヘッドホーンをつける。
高度100m まで上昇したのち、私は超音波検査を始めた。
加藤ナースが12誘導心電図を取り付ける。
ショックの原因として心筋梗塞、肺塞栓、心タンポナーデを否定するため。
出血性ショックのほかに、手足が冷たくなる原因がないとは限らない。

青森市方面に、雲は少なかった。
六ヶ所村から野辺地町を通過する。
左に烏帽子岳を見て、まかどスキー場を通過。
浅所川を越えて青森湾に入ると、突然島が見える。
浅虫沖の5つの島が美しい。
吉永小百合さんのポスターで有名な湯の島、岩だけのろうそく形した裸島、亀の形の鴎島、大きな円錐型の茂浦島、裸島に似た双子島。
すべて上空400m から見下ろせる。

久栗坂の砕石場を超えて、野内のガスタンクを右に見る。
県営アリーナが左に見えれば、前方に青森県一大きい青森県病が見えてくる。

「青森ドクターヘリ1より青森県病、どうぞ」
整備士が青森県病ドクターヘリ通信司令室の無線を呼び出す。
「はい青森県病です。風向風速を送ります」
この声は千葉ナース。私の教え子でもある認定救急看護師。
前もって無人のドクターヘリ通信司令室に入り、無線機を立ち上げたのだろう。
しっかりした無線対応、いい仕事だ。

14時16分、青森県病ヘリポート着陸。
ヘリポート内に患者搬送車が待機していた。

輸液1000mL が入った患者は、会話ができるようになった。
呼吸数20回、血圧103。
これがドクターヘリ効果。

出迎えてくれたのは、藤原医師。
先月、長野から志願して青森県病救命センターに転勤してきたベテラン脳外科医師。
私が川口救命センターで張り切って外傷外科医をやっていたとき、研修に来てくれた。
10年ぶりの再会。
「現場では血圧測定不能でしたが、輸液1000mLで血圧103、呼吸数20、会話可能です」
「それは今先生だからだよ」と藤原医師。
「いやー」県病に来て褒められ、嬉しかった。

14時41分、県病離陸。
15時06分、八戸市立市民病院着陸。
見学学生の原君とは、その後1時間ほど研修の話ができた
八戸ERは相変わらず盛り上がっていた。

実はこの日、八戸市立市民病院救命救急センターはパンパンだった。
CCM(重症救急集中治療室)30床、救命病棟43床、すべて満床。
他の診療科からもベッドを借りて、患者数99名を受け持っていた。

そんな中、吐血患者を県病にお願いできて助かった。
藤原先生、ありがとうございます。

(完)


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