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帰ってきたJA112D その12 ~最終回~

2011年08月24日 22:41

(7回目の要請で、青森市に向けて飛ぶ JA112D とスタッフ・・・)

18時少し前、雲谷ヒルズスキー場が見えてきた。
その少し前、青消救急11が現場到着したと無線が入っていた。

しかし「第3駐車場はどこですか?」
整備士と機長が迷っていた。
東側の上空から近づくドクターヘリから、赤車も白車も見えない。

「第3駐車場は大きなレストランの右隣、12時方向」
私はこの雲谷ヒルズスキー場に、子供の頃から100回は滑りに来ている。
駐車場の番号は把握している。
好きな斜面はかつての第2リフト、今はカタクリリフト。
今日の出動は、ゆかりの深い場所が多い。

第3駐車場上空で、やっと森の陰になっていた赤車と白車が見えた。
18時ちょうどに着陸、青消救急11に飛び乗った。

得意の外傷診療。
日本の医師向け外傷診療ガイドライン JATEC を手がけている。
日本の救急隊向け外傷診療ガイドライン JPTEC を手がけている。
米国外科学会外傷手術講習会 ATOM で指導している。

気道、呼吸、循環、意識、体温に問題なし。FAST 陰性。
呼吸数20を除けば、バイタルサインも問題なし。
受傷機転と腹部圧痛を併せて考えると、最悪のシナリオは腸管損傷と判断した。

私は男性に、収容病院の希望を聞いた。
ここから県病まで5分、弘前12分、八戸25分。
八戸はまずないと思うが、余裕があれば尋ねることにしている。
男性は、どこでも良いという。

それなら近い県病にしよう。
県病に携帯電話を入れると、「収容 OK です」
県病の坂本医師から、嬉しい一発 OK だった。
昨年までとは違い、県病は立派に成長した。

18時11分、離陸。
18時15分、着陸。
すでに夜間照明装置が灯っていた。
患者搬送車が迎えに来ているヘリポートで、坂本医師に患者を引き渡した。

18時33分、給油を済ませた EC135がエンジンをスタートした。
日没は18時50分、太陽のあるうち山岳地帯を越えられる。

雲の上から眺めた西の夕日は、美しかった。
19時ちょうど、夜間照明が照らす八戸市立市民病院ヘリポートへ着陸した。

ヘリコプタービューの病室はみな、オレンジ色の明かりが灯っていた。
その窓から、患者たちがドクターヘリを見つめている。
「ただいまぁー。帰ってきたよ、八戸に」

今日は月曜日、これから夜間当直が始まる。


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