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帰ってきたJA112D その7

2011年08月17日 19:38

(絶妙のタイミングで入った4件目の要請は、階上町へのサンダーバード作戦)

15時05分、八戸市民病院ヘリポートを離陸。
東風を受けてゆっくり浮上したEC135は、時計周りに回転し機首を南に向けた。
南方面の太平洋は青い。

高度400mに達すると消防無線が入ってきた。
「八戸ドクターカー1より八消本部、ドクターカーは階上小学校前を通過」赤坂医師だ。

ドクターカーは普段、八戸消防波で無線交信している。
しかしサンダーバード作戦が発動されると、周波数を青森県共通波に変える。
だから、ドクターヘリも通信内容を傍受できる。

「速いね、ドクターカー。きっと入江ドライバーが飛ばしているんだね。
 今日はドクターカー2号エスクード、排気量が大きいからスピードも出るよ」

「あと2分でランデブーポイント」整備士
地上部隊も早かったが、空はもっと速い。

「八消76より青森ドクターヘリ1、ランデブーポイントは廃校小学校グラウンド。
 しかし現場近くに草地あり、上空から検討してもらいたい」

八消76ポンプ隊は日ごろから、管内で着陸地点候補を物色している。
ドクターヘリに対応するために。
定型的な着陸地点から、より現場の近くに降ろそうとする消防。
それに応えるのは、中日本航空機長と整備士。
消防、航空会社、どちらも筋金入りのプロフェッショナル。

15時08分「八戸ドクターカー2より青森ドクターヘリ1、ドクターカー現場到着」

さぁ、現場着陸の真剣勝負が始まる。
着陸の支障にならないよう、ドクターカーに周辺待機を要請。

「行きますよ」機長
「右の立木が近い、気をつけて」整備士
「先生方、見張りお願いします。特に機長側の後ろを、西川さん」
「降りるよ」機長
「ゆっくり」機長
「機首を左に振って」整備士
「こう?」機長
「いいよ、いいよ」整備士
「後ろOKです」私
「左後ろOKです」西川看護師
「そのまま、そのまま」整備士

地面の草も周囲の森も、ダウンウォッシュで揺れる。
あと1m でタッチダウン。

「後ろへ下がって、そっちが平ら」整備士
「はいよ」機長

15時09分、着陸。
メインローターの回転が落ちた。
機体から離れたエリアを、赤い長袖災害服の赤坂医師と丸橋医師が走っていった。
救急バッグを担いで続くのは、実習に来ている順天堂大学5年の鳴海君だ。

整備士が開けてくれたドアを出て、我々も同じ方向に向かって駈け出した。

(続く)


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