帰ってきたJA112D その6

2011年08月16日 20:05

(八戸基地の再開初日、連続して入った3件目の要請は南部町)

14時35分離陸した。
14時42分、南部町幼稚園グランドに着陸。

ヘリコプターの左側ドアが開けられ、私、新美医師、看護師の順に降りる。
「新美先生、後ろから入って」
私は白車へ駆け寄り、左横のスライドドアから入る。

麻痺を訴える男性が横たわっていた。
朝起きたら麻痺があったという。正確な発症時刻は分からない。
血圧が高い。

まずは血糖検査。針を刺して計測したが異常なし。
低血糖は、脳卒中と紛らわしい症状が出る。

「脳卒中疑い、血糖よし、血圧167でやや高い。
ヘリで運びます。ダイレクト CT お願いします」ダイレクトブルーに電話を入れた。

14時51分離陸。
現場時間は7分。制限内、合格だ。

・・・・・・

同じ頃、岩手県境の階上町で事件が発生していた。
林業の男性が作業中に、大木の下敷きとなったのだ。

119番通報は14時47分。
ドクターヘリ出動要請は14時52分。

CS が無線で私に、ドクターヘリが対応できるか尋ねてきた。

八戸消防は南部町へドクターヘリを飛ばし、その帰り際に階上町へ飛ばす。
南部町の現場活動をわずか7分で切り上げたタイミングを見抜いたのだろうか。

「OK です。この男性には新美医師が付添って降りますから、
 タッチ&ゴーで私が階上へ行けます。」
「八戸消防に、ドクターヘリ出動可能と伝えます。
 ヘリポートにはストレッチャーの迎えを用意させます」CS

このとき、上空の我々が知らないうちにラピッドドクターカーが出発していた。

14時58分、南部町から戻り八戸ヘリポートに着陸。
ERの手術はどうなっただろうか。気になる。

「新美先生、患者についてダイレクト CTよろしくね。」
現場出動した新美医師が一緒にドクターヘリを降りてくれたので、申し送り不要。
これも時間短縮につながる。

患者を移して空になったストレッチャーが再び EC135に収納され、
同時に野田頭医師がドクターヘリに乗りこんだ。
ドクターバッグに救急薬剤を補給し、JA112D のタンクに燃料が補給される。

その間に、私は院内PHSで CS に電話を入れた。
「サンダーバード作戦が始まっているんですか?」
「はい、14時50分に出動要請、55分出動しています。サンダーバード作戦です」CS

なんと、ドクターヘリの前にドクターカーを要請している。
八戸消防指令課、すごい判断だ。

給油が終わった。
15時05分、我々が機内で待機した状態からエンジンスタート、そして離陸。

(続く)


コメント

  1. やまっち | URL | -

    いつもブログ楽しみにして観ております。でましたねぇ、サンダーバード作戦。すばらしいです。先日のある方のコメントで岩手は防災ヘリがあると仰言っておりましたが、わたくし岩手県人としては、あまり防災ヘリの認知度が低く、県のホームページでしか、運行実績しか、確認したこともなく、一般人には認知度が低いです。そうゆう観点から、また、医療に特化したドクターヘリと、防災ヘリの使用目的違っており、私自身は、八戸が先駆けている、岩手県としてのドクターヘリの早期導入を首を長くして待ってる次第です。岩手県も縦に長く、沿岸にいくには車で二時間、それを考えると、救命率も上がるのではと考えてます。医療に国境が無いと言われますが、それが無理なら国策で、北三県二期導入とか、視野にいれてもいいのではと思うときもあります。ドクターヘリの早期導入し、岩手県高次救命センターがうまく、コラボレーションし、機能すれば尚更かと考えてます。八戸ERを手本にし、はやく導入して、県庁のホームページでちまちまと掲載するより、八戸ERの様にブログや、テレビ出演する様な位でやるべきかと思います。少なくとも、私人の問題かもしれませんが岩手県人に防災ヘリの認知度は非常に低く、活動内容がわかりません。消防、ERの方々、救命に対するシステム、ドクヘリ導入無理なら岩手県も学ぶべきです。わたくしも医療機械の修理をしておりますが、トラブル発生時、コールセンターから、医療機械に電話回線にて、入り込み、エラーログをコールセンターサポートが確認し、おおよその故障箇所を特定し、部品最短で手配し、それをしている間に、現場に向かいます。医療機械の向こう我にはかんじゃさまがいるし、ダウンタイムを最小限に抑えるために。ある意味先生方と同じです。人ではなく機械を直すドクターです。
    いつも、感心しているのですが、スタッフの方々は、モチベーションをどのように保っているのでしょうか?仕事観ですか?有難うの一言でですか?教えてください。私は
    ブログで励まされております。24時間ある意味拘束されてますし、くじけそうになる時があります。これからも、皆様を応援しております。

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