帰ってきたJA112D その2

2011年08月11日 07:19

(八戸復帰の初日午前、さっそくの要請は津軽半島から)

予想通り、北方面は雲が厚い。
最短距離の八甲田山越えは困難。
三沢の雲を迂回して、七戸町に出る。
左手の西はみちのく有料道路、北には野辺地町。
その間を左に雲を見ながら北西に進む。

「左が烏帽子岳ですね。右の野辺地町は快晴だ」
このとき、まさかこの日に同じルートを2往復するとは予想しなかった。

夏泊半島を右に見て、浅虫温泉上空へ進む。
東京駅に貼られている巨大なポスターがある。
夕暮れの海に浮かぶ島と、微笑む吉永小百合さん。
その、湯の島が眼下に見えている。
木々の緑と赤い鳥居のコントラストが映える湯の島、その上空300mを通過する。
海は青い。

「これより海上を飛びます。座席下のライフジャケットを確認して下さい」と整備士。
その指示に従い、右手で座席下を確認する。

やがて県病、それからアスパム、ベイブリッジ。
それらが左手の風防を通り過ぎ、遠くなっていった。

さらに海を進むと、前方に集落が見えてくる。
「あの屋根が北中学校ですね」整備士の声。
「何で分かるんですか」私
「先月、何度か来ましたから」

青森消防、青消救急12、油川タンク隊と無線で交信する。
「左前腕に電気ノコギリでの切創。幅7cm、骨に達している。
 圧迫止血中。冷や汗あり」救急隊員の声がした。
「切断ではないのですね」
「切断にあらず」

救急救命士は、軍隊のような古典的言い回しを好んで使う。
「バイタルサインを送ってください」
「血圧121/58、脈拍61、呼吸数18、意識清明」

「あと3分で着陸」整備士から。
「油川タンクより青森ドクターヘリ1、風は東から7ノット。西から進入できるか」
「西より進入します」

10時53分、北中学校に着陸。
支援車両の赤い油川タンクが、緑の芝によく映える。
EC135は、芝の真ん中に着陸した。

整備士が開けてくれたドアからまず私、野田頭医師、そして西川看護師が降りる。
腰をかがめてメインローターの下を走り抜け、白い青消救急12へ。
「野田頭先生は後ろ、私は横のドアから」

(続く)


コメント

  1. 南部のみならず | URL | -

    基地病院

    いつも、青森県全体の医療過疎を感じている輩です。
    正直、まだまだ青森県は医療未発達と感じます。

    しかし、今ドクター率いる八戸市民病院は、この医療過疎を打破するべき、過疎地で孤軍奮闘してくれていると思います。サンダーバード作戦はその典型!(皆様当ブログをみて頂ければ一目瞭然!)

    あらゆる、その場の最善を考え、患者を助ける!

    県の中央だから、ドクヘリ配備ではなく、県の地理を鑑みて、弘前・八戸の2基配備を考えてはどうでしょうか?(青森には、防災ヘリ、県警ヘリあります。これらを有効活用すべき!岩手県では、防災ヘリ活用したドクヘリ的運用してますよ!)

    実際、津軽・五所川原の知人からそのような意見がありました。

    青森県庁の担当者は、報道機関の誤報(県のドクヘリ運用費)について、正しい報道を求めるべき!
    ただ、黙っているべきではなし!
    誤報を伝えてしまった報道機関は、真を伝えるべき!
    2機目配備を望みます!
    それが、皆の望む医療の全国版につながると思うから。
    過疎地でも可能です。医療の全国版!!

  2. つがる衆 | URL | /oWkqCwo

    無意味な見栄はやめて・・・

    八戸、弘前配備体制が正解だと思いますね。
    高度救命のある弘前市、山間部が多く地理的に
    ドクヘリの有効な八戸南部地域・・・

    人口に比して高度な医療体制の不十分な青森市に
    基地をおく理由はありませんね。

    まぁ、いつものごとく「県都だから的論」なんでしょうが

    とりあえず、運行実績を「数」ではなく、
    重症度・搬送内容で公表してもらいたいですね。

    そうすれば、どこが基地であるべきか、自明だと思います。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/748-3f75862e
この記事へのトラックバック