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2回心停止した重症外傷 その7

2011年07月01日 19:50

先ほど手術室に到着したばかりの、看護師は、丸刃のメスを手渡してくれた。

出血性ショックの開腹手術は、trauma incision。
みぞおちから恥骨まで一気に大きく切る。
電気メスは使わず、はさみで切り開く。5秒で開腹できる。
そして、狙いの脾臓と肝臓にめがける。
この二つの臓器をわしずつかみにする。
多くはここから出血するから。
タオルで圧迫する。

「VFです。心停止です。」
手術ガウンで眼だけを出している町田医師は叫ぶと同時に、CPRをはじめた。
「わー、やはりなってしまった。AED作動させるよ」私
私の声を聞く前に明石医師は、AEDのスイッチを押す。
除細動パッドは貼られている。

「アドレナリ1mg注射」麻酔係り軽米医師
ドクターカー出動から戻った安部医師も手術に入っていた。
今度は安部医師がCPR。
2分で胸骨圧迫しないと、約6割で強さが足りなくなるから。

私は、右手を腹に入れる。
横隔膜の下で、腹部大動脈を3本の指で押さえる。
指で大動脈を遮断して、脳と心臓に血液を集中させる。
3回の電気ショックで、男性の心臓は戻った。

「全身状態を把握するよ。ガス分して、体温測定して」私

「カリウム下がりました」軽米
「それじゃ、手術を続ける。」私

60分後、脾臓の止血を追え、男性は手術室から外へ出た。
行く先はCT室。

2回目の頭部CTを撮影する。
死の3徴が出ている。
低体温、凝固障害、アシドーシス。

凝固障害がひどい。
脳挫傷の悪化が心配だ。

CTを直ぐに読影する。
「OK,開頭手術は必要ない。
CCM入室するよ。そして低体温治療継続」
男性は、CCMへ移動した。
「頭蓋内圧測定しよう。明石先生お願い」私
・ ・・・・・
1時間後、「脳圧は8mmHgで問題なしです。」
明石医師の声

そして、7日後、復温も終了し体温は正常に戻った。
(続く)


コメント

  1. やまっち | URL | -

    素晴らしいです

    久々にコメントさせていただきます、スタッフの皆さん相変わらず生死の狭間をさまよう、患者さんを助けようと、必死な治療に励まれているのが、感じられます、スタッフの方がたの体力、精神力は大丈夫ですか?わたしも、間接的ですが、医療機器の修理をしておりますが、基本的に医療機器のダウンTimeを最短にし、安定稼働させるために、ブログを見るたびパワーをいただいてます。私の相手は医療機器ですが、患者様の顔話浮かべながら仕事をしています。辛いこともありますが、使命感をもって遂行してます。先生方とある意味共感できる部分があり、これからも励みにして、がんばります。患者様が一人でも多く救えるように、笑顔が戻ります様に。

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