2回心停止した重症外傷 その6

2011年06月30日 19:49

尿が出てきた。
ワインレッドの尿が。
尿のアルカリ化と輸液負荷が効いてきた。
輸血も始まっている。
「ER入室時、血圧測定不能、しかし、腹部だけに、重症外傷。
予測救命率は、50%くらい。そうとうがんばらないと助からない。
運も必要。
あと入室まで10分」私

「透析カテーテルをここで入れますか」高田医師
「いや、循環の蘇生が先、先に止血。手術を急ぐ。
手術室で麻酔と同時に透析カテーテルを入れる。
刺す血管はいつもの大腿静脈ではなくて、
麻酔医が操作しやすい、首の内頸静脈だ。
ERでは16G針を入れるだけにして。」私

手術が開始された。
透析のために小橋MEはスタンバイ、
手術中に急変することも考え、
胸部から太ももまで茶色いイソジン(アメリカではベタジン)で消毒した。
手術中に心停止すれば胸骨圧迫を行う。

いつも使う、麻酔エリアと手術エリアを分ける、離被架を省く。
腹から胸、頭まで一つのエリア。

明石医師は、すでに、右頸静脈に透析カテーテルを入れようとしていた。
「タイムアウト。十歳代男性、出血性ショック、腹腔内出血で緊急開腹手術。
推定出血量1から2リットル、輸血は躊躇なくいれてよい。
クラッシュ症候群による高カリウム7.5で危機的。
術中心停止の危険大。手術時間1時間。おねがいします」私

「メス!」
(続く)


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