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2回心停止した重症外傷 その3

2011年06月27日 22:45

逆流がないときに考えるのは3つ。
1膀胱に尿が無い。たとえば高度脱水、たとえば膀胱破裂。
2もう一つは、管が膀胱に到達していないで、尿道の途中でとぐろを巻く。この場合に、管の風船を膨らますと、尿道に傷つく。
だから、尿の逆流がないときは慎重な対応が必要。
3フォーリーに潤滑剤を塗って、尿道に入れるが、その潤滑剤が、管の中に入り込み詰まる。
フォーリーに注射器を就けて、吸引する。3番目ならこれで解決する。

すると、赤ワイン色の黒赤い尿が3ml出てきた。
「???」
外傷で赤い尿を見たら考えるのは3つ。
1腎臓、尿管、膀胱損傷
2クラッシュ症候群
3以前からの血尿(病気、中毒、覚醒剤)
「尿の逆流あり。
OK,風船を膨らますよ」私
「赤い尿の鑑別の一番は腎臓損傷と考えるよ」私
「受傷機転は、オフロード車で路肩を転落、一回転して立ち木に衝突。
挟まれて救出まで時間30分。
救急車で前医に搬送。
ショックでドクターヘリ要請。
受傷時間は午前6時頃。」明石医師
「受傷時間は本当に午前6時か、体温33度まで下がりすぎている。
消防にもう一度問い合わせて」
救急救命士東京研修所卒業し、
国家試験を合格したばかりの実習中の救急救命士に私は頼んだ。

輸液を前医から合計3L入れて、血圧は上がってきた、
心拍数は早いまま。
出血は腹部が中心。
超音波検査では、腹腔内出血推定1L。
血圧148/85。
CT室へ行く余裕がある。

意識障害と出血性ショック、アシドーシス、血尿。
9時40分。輸血の準備を済ませてCT室へ移動した。

CTでは、脳挫傷がひどい、
脾臓と肝臓がやられていた。
腎臓はOK.
それじゃ、血尿は?

患者はERへ戻る。
わずかに出ていた尿で、薬物検査をした。
問題なし。中毒ではない。

両足に、打撲痕、腹部にも打撲痕、大腿が腫れている。
2回目の血液ガス分析では、アシドーシス改善なし。
カリウムが7と上昇。

「クラッシュ症候群だ。救出時間30分に惑わされた。」
(続く)


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