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心嚢穿刺 その3

2011年06月14日 18:57

酸素が15リットル毎分でマスクに流れる。
酸素濃度をあげるのは
ヘモグロビンに酸素をくっつけて全身を回ってもらうため。
しかし、いまは、心臓が動きを止めようとしている。
酸素も全身を回らなくなる。
危機的状況。

心電図の脈拍は、60台に落ちてきた。

頚動脈は弱く触れるだけ。
ソケイ部は触れない。

「心停止するよ、エピネフリ用意して。止まったらいれて」
私は看護師に伝えた。
胸痛にもだえる患者。
だが、動きは徐々に弱くなる。

原医師が刺した16Gの太い針の痛みは感じないようだ。
刺す位置は、Larrey point.
みぞおち。
超音波を診ながら針を進める。
「いい感じだよ」私
針先は超音波に写る。
しかし、血液の吸引はできない。
「おかしい。コアグラなんでしょうか」原医師は弱気になる。
コアグラとは、血の塊のこと。
塊になっていると、針に吸い込まれない。

3回目の手技でも心嚢液の穿刺吸引はうまく行かなかった。

ERに危機的雰囲気が漂う。
「心臓を止めるよな」私は怒号した。

「開胸セット出して、心嚢開窓術、心膜切開術するよ」私は看護師に叫んだ。
「麻薬を注射するよ、フェンタネストを0.5mlずつ、5分ごと。
ミダゾラム用意して、動いたら2mg注射して。
動かなければ要らない」私

「河原隊長、意識がなくなります。下顎挙上でバッグマスク補助開始して」私
「医学生の高橋君と、中村君は、両腕を握って、患者が動くから。
さわってご覧、冷や汗びっしょり。ショックのサインだ」私
「原医師は、ガウンを着て。野田頭医師は、気管ソウカンを準備して」私
「メスは、丸刃だよ。局所麻酔を使うよ」私

河野医師は、患者に先ほどより大きく茶色のイソジンを塗った。
青い大きな、頭から、足まで隠れるドレープがかけられる。

「無影灯スイッチオン」私
(続く)


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