現場開胸 その1

2011年06月10日 22:50

歩行者が車に跳ねられらた。
救急車が出動した。
同時にダイレクトブルーが鳴る。
ラピッドドクターカーに乗るのは丸橋医師と私
夜の街を、サイレンを鳴らして猛スピードで走るエスクード。
国道45号線は片側3車線。
運悪く、前方の信号は赤。
ウーウーサイレンを鳴らして、交差点に進入する。
すべての車線が停止した。
「ドクターカーが交差点を通ります」電子音が響く

八戸消防指令課から無線が入る。
「救急隊現場到着。男性1名。CPA.波形はPEA.」
「ドクターカーはあと3分で到着予定」丸橋医師は答える。
色白の顔にヘルメットが似合う。

広い片側2車線の道路の左路肩に、
銀色の車がフロントを道路標識にぶつけて停車していた。
フロントガラスはくもの巣状。頭部外傷のしるし。
患者の影は見えない。
救急車のハッチはしまっている。
患者は救急車に入っている証拠。

医師二人はエスクードを降りて、救急車のドアを開けた。
私はドクターカードライバーに伝えた。
「開胸手術セットが必要なとき、声をかけますから」
車内では、CPRが行われていた。
男性は60歳くらい。
胸郭が左で変形ある。
頭部は後ろで出血あり。
原因は、心タンポナーデ、気道外傷閉塞、フレイルチェスト、緊張性気胸、大量血胸、開放性気胸のうちどれか
気道閉塞あり、丸橋医師が気管ソウカンする。。
「隊長、現場時間はいま何分?」
「15分近いです」
「それじゃ、車を出して」私
現場滞在時間は、15分以内にする約束

丸橋医師は車を走らせながら気管ソウカンする。
気道確保は苦労しながらだったが、成功。
胸の上がりはよい。

呼吸の確認は頸静脈腫れなし。皮下気腫なし、呼吸音左弱い。
CPRの合間に胸を確認した。

循環の評価と処置として、輸液路をとるのは私。それが失敗。
次も失敗。そして次も失敗。さらに失敗。
出血性死の原因は、腹部、骨盤、胸部だ。
鼠径部に太い血管があるが、
鼠径部からの点滴だと、腹部と骨盤から出血が増えるかもしれない。
腕に5回目で輸液路確保成功した。
アドレナリを1mg注射する。

FASTをする。
「いきなり、心嚢液たまりあり」
さらに左大量血胸。腹部はよし。

(続く)


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