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真冬のナマコ漁潜水夫心肺停止 最終

2011年05月25日 18:16

八戸市立市民病院救命救急センターでは年間高気圧酸素治療を1300件行っている。
1日5から7人のペース。
高気圧室が常時稼動しているので、緊急患者はいつでも入れる。
予定患者を先送りするだけ。
高気圧治療の担当は、救急医と救急看護師。
しかし、その多くは救急疾患や外傷。
減圧症は少ない。
減圧症は多人数用高気圧装置を使用する方が安全に確実に治療ができる。
多人数用高気圧装置だが、岩手医大にある。
ただし、岩手医大がある盛岡市は運悪く盆地。
海からここに行くには、高い山を越えないといけない。
だから、減圧症はいったん悪化する。
悪化覚悟で盛岡市へ減圧症の患者はみんな向かう。
ただし、目の前の患者は現場で心肺停止になっている。
二度目の心肺停止は絶対避けたい。

減圧症の男性は、静電気が起きない服に着かえて、耳抜きの説明をうけた。
そして再圧治療決定から15分後には、高気圧酸素室に入って行った。
約120分の治療を行った。
最大圧は2.5気圧。
八戸の高気圧治療装置ではこれが最大値。
米海軍のテーブル5で開始する。
これ以上の圧は、岩手医大でないとできない。

一回目の再圧治療が終わった。
担当医の吉村医師はにっこり笑った。
「肘のざらざら感と頭痛が取れました。副作用、合併症もありません。」
一回目の再圧治療後にCTを再撮影した。
すると、治療前の空気塞栓はすべて消失。
よかった。
「沖縄の小濱医師から教わったように、6時間後にもう一度再圧治療を行います。」
吉村医師
夜7時から二回目の再圧治療を開始した。
今度も安全にできた。

翌日から毎日一回再圧治療を行った。
そして8日目、
あの日と同じように、めずらしく八甲田山の白い尾根線が
八戸から見えた冬ばれの日だった。
男性は新幹線で30分の距離の盛岡市の岩手医大へ転院して行った。
急性期の慎重な治療は成功した。
ほぼ社会復帰。
うれしい。

青森県ドクターヘリは、ちゃんと活躍していますよ。津軽方面にも。
要請があり天候がよければ出動しますよ。津軽まで。
そして、最後の砦は、八戸救命救急センターです。
ベストなドクターヘリ出動要請でしたよ、
青森消防。
Spirits of Hachinoheだ。

(真冬のナマコ漁潜水夫心肺停止 完)


コメント

  1. 勉強になりました!

    八戸ERスタッフの皆様。
    今回の減圧症の話は、海がない群馬県に住み、そしてマリンスポーツが苦手な僕にとって、本当に勉強になりました。いつどこでどのような症例に遭遇するかわからないので、いろいろアンテナを張り巡らせようと思います。いつも貴重な話題を皆さんに提供していただき、本当にありがとうございます。
    青森県の最後の砦のしての“八戸ER”の活躍は、群馬にいてもヒシヒシと感じています。“前橋日赤ER”も群馬県の有無も言わせぬ最後の砦として認められるようもっともっと頑張ろうと思います。

  2. コン | URL | JalddpaA

    町田先生応援ありがとうございます。
    皆さんの応援に答えられず、
    5月31日をもって、暫定八戸基地は終了です。
    6月1日から青森市で本格運用(新聞記事)が始まります。
    しかし、その内容は、八戸、青森市に2ヶ月交替運用です。議会が八戸に譲歩してくれたといううわさです。
    本当は、交替でなく、2機ほしかった・・・・
    検証が済んでから、2機を考えるそうです。
    こんなに実績を残しているのに、私は信用されていないのですね。
    がっかり。
    前橋に転勤しようかな、冗談。

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