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真冬のナマコ漁潜水夫心肺停止 その5

2011年05月24日 18:15

沖縄北部医師会病院では、一人用高気圧装置で、多数の減圧症治療を行っている。
早速電話をした。
沖縄北部医師会病院では、独自にドクターヘリを運用している。
私は昨年夏に休みを取って一度見学に行ったことがある。
電話には小濱正博医師が出てくれた。
細かい指示をいただいた。
そして、患者の全身CTを撮影した。
目的は、空気塞栓を見つけること。

呼吸が速い、健忘がある以外は、一見なんともなさそうな男性であったが、
撮影されたCTを見ておどろいた。
たくさんの内蔵と血管に、空気(窒素)が引っかかっていた。
これが心停止の原因だ。
空気塞栓だ。
八戸で、高気圧酸素治療を開始するか、やはり専門の岩手医大へ運ぶか。
私は迷った。
盛岡までは再び峠越えだ。
先に説明したとおり、減圧症の症状を悪化させる場合がある。
わずか標高200mの病院へ、減圧症の患者を救急搬送した結果、
病院玄関に到着した瞬間に心停止した症例を聞いたことがある。

いまは、症状が右の肘のざらざら感と頭痛。
うまく治療すれば軽い後遺症で済むだろう。
なんといっても患者は現場で心肺停止だったのだから、このあとのことは慎重に。
私は岩手医大の高気圧タンク室医師の出張先まで電話を入れた。
運よく電話がつながった。
「八戸で再圧治療ができるのなら八戸でやった方がいい。
せっかくいまはいい状態なのだから。
山越えで減圧症は確実に悪化する。
だから盛岡に来ない方がいい。
ただし八戸での再圧治療でも、症状が進むようなら話は別」
「table5しかできません」私
「それでいい、それをやってくれ」
決意した。
ここで再圧治療を行う。

同じ頃
ER第一ベッドでは、
19℃の心肺停止の偶発性低体温症の女性にPCPSが回り始めた。
(つづく)


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