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階上岳 登山者急病人 最終

2011年05月19日 18:41

14時20分、登山道口にある駐車場にドクターヘリは着陸した。

そこから医療スタッフはポンプ車に乗り換えて、現場近くまで接近する。

車両通行止めの手前の駐車場を目指した。
その道中、救急隊が患者と接触し、救急車に引き返すと無線が入った。

ポンプ車は駐車場に到着した。
ポンプ車のエンジンをきるとあたりを静寂が包む。
雪の中の静寂を破るように、時折消防無線が鳴る。

肝心の患者情報はまだ入ってこない。
救急車にはまだ到達できてないようだ。

「ミオコールスプレー使うかもしれない、あと点滴冷えないようにしといて。
心臓カテーテル検査を行うだろうから、静脈路確保は左手だね。」
河野医師がフライトナースに指示を出す。
的確な指示を出し、常に先を考える河野医師に隆文医師は羨望のまなざしをおくっていた。



どれくらい待っただろう。静寂を破った消防無線から、救急隊出発の知らせが入った。

しばらくすると静寂の中から聴きなれたサイレンが聞こえ始めた。

まもなく、救急車が我々の待つ駐車場にやってきた。

河野医師は頭から吉岡隆文医師は足元から車内に乗り込んだ。

患者一人、付き添いはいない。これなら帰りは医療スタッフもみんな乗って帰れる。

迅速にABCを確認していく。

「Aはok、Bはすこしcrackle聞こえるかな。
撓骨はよく触れる。末梢は冷たいけど、外にいたからな。」河野医師は周りにもわかるように診察していく。

吉岡隆文医師は左肘から静脈路確保。
超音波検査では心臓の左心室前壁の動きが悪い。

静脈路確保と同時に救急車出発を指示した。

揺れる車内で12誘導モニターを装着した。

「V3-5くらいでST上がってますかね?」と吉岡隆文医師。

「上がってるね、AMI(急性心筋梗塞)だ!!」河野医師は宣言した。

搬送先はもちろん八戸市民病院。迅速にヘリのストレッチャーに移し替え、階上岳登山口を離陸した。

帰りも5分で病院についた。

急患室へ搬送している途中で循環器内科の医師が来てくれた。
「AMIだね。」

急患室へ入ってから10分後には血管造影室へ移動した。


救急隊、支援のポンプ隊、ヘリスタッフ、各診療科。劇的救命は多くの人に支えられている。


(階上岳 登山者急病人 完)


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