体温19℃から生還 最終

2011年05月16日 18:11

甲状腺機能低下?なぜ思いついたか

「低体温、徐脈、ショック、最近痴呆発症、最近歩けなくなった。
これだけそろえば甲状腺機能低下を考えます。
実は吉村医師が検査を入れたんです」軽米医師
「すごい!このキーワードで甲状腺機能低下myxoedema を考えたんだね。」私
甲状腺ホルモンが足りないから、
ホルモンを出して、出してと脳下垂体が悲鳴をあげている。
その悲鳴が刺激ホルモン。
甲状腺刺激ホルモンがものすごく出ている状態は、甲状腺低下症。

「すごいのは、吉村です」軽米
「よかったね、この患者。PCPSで生き返り、さらに甲状腺ホルモンで、
歩いて痴呆も治る」私
「がんばります」軽米

徐脈+ショックの鑑別は
SHOCKの頭文字で覚える。
Spinal.脊髄損傷
Hypo-endocrine.副腎・甲状腺機能低下、
Osborn ECG.低体温
Cardiogenic&Cardiotoxic心臓
Hyper-K高カリウム
これで思い出せば、甲状腺機能低下に行き着く。
研修医にも教えている。
この暗記法を覚えて実践したのはさすが吉村医師だ。

「世界記録は何℃」私
「13℃と、アメリカの救急の教科書に載っています。」軽米医師
「偶発性低体温症の救命の世界記録は13℃か、すごいね」私
「日本記録を調べておきます」軽米
「Brain edema,myxoedema,lung edemaこのedema3を乗り切ろう」私

・・・・
その4日後、海岸で今度は20歳代女性、体温27度、
ずぶぬれ状態、心肺停止状態で運ばれてきた。
その日は、吹雪でドクターヘリは運休。
モチロン、ラッピドドクターカーはその現場の海岸に出動していた。
今度の患者にも劇的救命チームは果敢に挑んだ。
一切手は抜かない。
PCPSが装着されて・・・
社会復帰。
こちらは後日。

ドクターヘリを補完するラピッドドクターカーは今日もあなたの街へ、
あなたの家の前にも出動します。
見かけたら手を振ってね。

(体温19℃から生還 完)
どうかな、
看護師、若手医師、救急隊のみなさん、
勉強になったかな?
市民には難しい内容でごめんなさい。



コメント

  1. やまっち | URL | mu6./6ck

    スタッフの皆様相変わらず大活躍ですね。感心してブログ見でました。生死の境から救いだそうと、尽力されている皆様に、いつも、勇気をもらっています。義父が入院中していたころ、何度かドクターヘリ出動場面が見れないかと期待していましたが、なかなか、見ませんでした。入り口に止めてあるドクターカーは見ておりましたが、ERで、義父が救命いただき深く感謝しております。おかげさまで、義父も普段の生活を送っております。いっときは覚悟を決めましたが、人間の生命力もすごいですね。自衛隊の方々、DMATの方々、ER、警察、に、皆様に感謝しております。わたしも、影ながら、医療機器の安定可動のために、皆様からパワーをもらって、微力でありますが、励んでます。復興の道のりは長いですが、諦めず頑張りたいと考えております。岩手の上空で是非お会いしたいです。楽しみにしております。宮古も行くので、何処かでお会いしているかもしれませんね。

  2. タイガφ | URL | -

    とてもスリリングで、勉強になりました。文章にもどんどん引き込まれて、
    毎日読んでしまいます。
    SHOCKの鑑別も勉強になりました。
    私自身は、除脈の鑑別は、VF AED ONと覚えていましたが、こちらの
    覚え方も、とても参考になりました。
    20代女性の症例もとても興味深いです。
    また勉強に伺います!

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