中止で良かった 最終

2011年05月09日 18:11

屋根から患者は下ろされた。
そして医師接触。

麻痺がある。言葉がうまくない。口が曲がる。
この三つがあれば70%の以上の確率で脳卒中。
まさに、ぴったりの所見だった。
「発症時間は?」光銭医師の質問に
「11時ちょうどです」はっきり答える隊長
「tPAの時間内ですね。」安部医師
「急ぐよ」光銭医師

患者情報が、ダイレクトブルーPHSに入った。
もっていたのは、日曜ER当番1の最上医師。
「脳卒中疑いですね、収容OKです」
12時6分八戸市立市民病院着陸。
「ダイレクトCTの用意できてます」私
僻地の患者が119番通報から50分でCT室。
そして、高度治療へ。
ストロークバイパス。
脳卒中患者をいち早く専門施設へ運ぶことが、
後遺症軽減、死亡率低下、入院期間短縮につながる。
直近の施設へ運び、それから脳卒中施設へ転送だと、時間切れ。
日本中の多くの大病院では、いまだにそうだ。
「まず、直近の病院でCT撮影して下さい。
必要だったら、それから転送」大病院の声
救急隊は従うしかない。
この地域ではもちろんストロークバイパスだ。
・・・・・・
もし、青森方面の天候が良好で、ドクターヘリが青森市ヘ訓練で飛んでいたら、
この症例には、時間がもっとかかったでしょう、
いや雲の影響で出動できなかったかもしれない。
青森市から五戸町まで八甲田山を越えて、20から25分。
雲の八甲田山をよけてくれば30分。
八甲田山を越えれば無線は通じない。

青森市でのドクターヘリ無線訓練は必要なのはわかっているが、
中止でよかった。
ドクターヘリが近くにあることは、頼もしい。
・・・・
午後もJPTECの訓練が続く。
15時29分
CSから無線が入った。
「八戸市立市民病院から青森ドクターヘリ101、
六ヶ所消防から要請です。エンジンスタートお願いします」
15時31分離陸。早い3分だ。
目的地は、六ヶ所村。
無線による患者情報では、牛舎で倒れていた男性。
除脳硬直の昏睡状態。
ふたたびストロークバイパス。
太平洋を北上するルートなら問題なく到達できるはず。
今日の天気だと、曇りの青森市に基地病院があれば、やはり飛行不能。

16時6分六ヶ所村離陸。
・・・・・・
快晴の青い八戸の空にあと10分で、ヨーロッパ製の白いボディーが見えるはず。
「ダイレクトCTお願いします」
安部医師の声がドクターヘリ通信司令室の無線機から聞こえた。
・・・・・
六ヶ所村からドクターヘリが帰ってきた。
16時24分八戸着陸。
・・・・・
重低音の双発エンジン音をここで聞けるのは、残りあと1ヶ月。
1ヶ月後は代わって、青森市が活気づくはず。
「がんばれ、青森」

県病の3名の看護師は優秀な成績で、JPTECの筆記試験と実技試験を合格した。
すべての講師は、休日返上、無報酬で受講生に指導した。
講師のミーティングで、次の開催日がけってした。
「次は6月21日です。八戸JPTEC」私の声に多くの講師がうなずいた。
最優秀講師賞は、安田インストラクターが勝ち取った。
副賞はEC135のミニ模型。
「わー、ほしい」多くの講師から。
青森市から来た安田インストラクターは
「一足さきに、EC135が八甲田山を越えて青森市に行きます。」
「いいよ、いいよ」みんな笑顔だった。

震災の影響は残りますが、6月JPTEC講習会は開催しますよ。

(中止でよかった 完)


コメント

  1. 怠熊 | URL | -

    講習会も出動もお疲れ様でした!

    6月の講習会、テスト参加したいなぁと思いました。

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