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優先順位 その1

2011年04月24日 18:11

週末は、神戸市と新宿で救急看護の講義を行った。
土曜は神戸市では、200人、夜のうちに新幹線で移動して日曜日は新宿では300人が聴講に集まった。
すごい人数だ。
それ以上に、会場に入れなかった看護師が140人いたと聞いておどろいた。
多くの看護師は救急知識に必要性を感じている。
講師は、福井大学の林寛之教授と私。
朝から夕方までの講義。
救急室のトリアージ、外傷、ショック、頭痛、胸痛、腹痛、さらに質問コーナー。
締めくくりは、二人の著書やDVDが当たるビンゴゲーム。
八戸に帰ったのは、日曜夜中。
とっくに、NHK大河ドラマも終わっていた。

留守にした八戸ERには、はちきれんばかりの患者が集まっていた。
日曜のドクターカーは八戸の山P医師が当番だった。

軽自動車が停車中のバスに突っ込んだ。
軽自動車は大破。
けが人2名。
1名は意識がない。
八戸ラピッドドクターカーはサイレンを鳴らして出動した。

八戸の山P医師は少し前に到着した救急隊と一緒に意識が悪い男性を観察する。
痛み刺激でようやく目が開く程度の意識障害JCS30だったのが、少しずつ改善した。
ABCはOK.
意識だけが気になった。
車は、前が大破していた。
顔面から出血ある。
フロントガラスの割れ方から推測すると頭部、顔面外傷、頸椎外傷はあるはず。
だとしたら最悪のシナリオは男性の急性硬膜外血腫。
一度意識が落ち、いまは意識清明期かと考えた。
患者をバックボード固定した後に、八戸の山Pは救急車で現場を出発した。

最悪のシナリオは、男性の急性硬膜外血腫ではなかった。
残されたもう一人の女性傷病者だった。
そのことはこの瞬間に誰もわからない。
彼女に対する八戸の山Pの第一印象は、ABCDは全部OKだった。
「こちらは軽症、救急隊だけで搬送してください」
もう一隊の救急車が到着し、軽症の傷病者に初期評価し始めた。
頭部外傷の男性を優先させた八戸の山Pは、第一救急車に乗り現場を後にした。
救急車内では、意識の悪化に備えて、男性に輸液路を確保した。
救急車は八戸ERに到着した。

自動ドア前で丸橋医師が待ちうけてくれた。
ERベッドに移された男性は、改めて外傷プライマリサーベイを受けた。
意識はさらに改善していた。
男性はセカンダリサーベイを終えて、丸橋医師ともにCT室へ移動した。
顔面の骨折はあったが、脳損傷はない。急性硬膜外血腫もない。
丸橋医師はほっとした。

第二救急車は、女性をバックボードに固定し、酸素投与で八戸ERへ向かっていた。
隊長からERへ連絡が入った。
「頚部に圧痛あり。収容おねがいします」
ERナースは収容準備を進めた。

ドクターカーで使用した物品は病院で直ぐに補充しないといけない。
これまで痛い目にあっている。
続けて出動することがあった。
ドクターヘリと違い、物品管理は医師が行う。
だから、連続出動がかかると、そのまま、物品不足のまま出動しうることだってある。
その時に文句を言う相手は自分。

救急車の音が近づいた。
救急隊からの頸椎圧痛の言葉が気になる。
オレンジ色のバックボードのまま、女性はERベッドに移された。
(続く)


コメント

  1. 怠熊 | URL | NLNr8Ioo

    私もファンの一人です。

    私も林先生と今先生の講義をお聞きしたことがあります。いつもスライドがおもしろくてわかりやすくて時間があっという間に過ぎます。中でも「クールタッキー」のかけ声が好きです。

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