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東北関東大震災その20 ~ドクターカー1号2号同時出動(最終)~

2011年04月17日 18:06

震災7日目 ラピッドドクターカー1号は出動中。そして希望のラピッドドクターカー2号もERを出発した。住宅街にドクターヘリは着陸できない。

16時42分村井隊長は走る車内で静脈確保に成功した。
ソルラクト点滴を1秒1滴で開始した。
16時43分ドクターカー2号は、サイレンを鳴らして、救急車に近づく。ドッキング成功。高田医師と丸橋医師は救急車に移る。
「心電図波形はPEA.アドレナリン1mgを注射します。」
そして、CPR継続。
心エコー検査をする。
心タンポナーデはなし。
2分後心電図波形はまだPEAだ。
ERへ電話、「PCPSの用意してください」
救急車がERについたころ、それまでPEAだった心電図波形が再びVFとなった。
16時51分ER入室。
ER当番の光銭医師は手術ガウンを着て待ち構えていた。
すぐにPCPSのチューブをソケイ部静脈に入れた。
次に、短くてやや細いチューブをソケイ部の動脈にいれた。
PCPSが回るまでもう少し。
希望のドクターカー2号エスクード効果は出るのか、否か。

首から尾側に覆いかぶせた青い滅菌ドレープの上で繰り広げられるPCPS導入手術。
同時に頭側では、VFに対して薬剤を使う。
アンカロン300mg注射。
そして気管挿管。
電気ショック3回目。
まだVF継続。
アンカロン150mg注射。

17時10分脱血管より黒っぽい血液が抜かれ、PCPSに入る。今度は鮮紅色に復活した血液が送血管から体へ戻る。PCPSが確立できた。

17時18分VF継続に対して、電気ショックを行う。PCPSで充分なエネルギーと酸素をもらった彼の心臓は拍動を再開した。除細動成功!
次に低体温療法を導入した。脳保護のためである。
救命の連鎖。chaine of survivalの5つ目の鎖は、心停止後ケア。
低体温治療と心臓カテーテル治療。
PCPSをまわしたまま、男性は心臓カテーテル検査室へ移動した。
そしてカテーテル治療を行う。
さらに大動脈バルーンパンピングを開始した。

2日目、血圧は安定し、PCPSを終了した。
3日目、大動脈バルーンパンピングを終了した。
しかし患者の意識は戻らなかった。

われわれはあきらめない。
直ぐ気管切開手術をした。
そして人工呼吸器から離脱させる。
鼓膜を切開して、高気圧酸素療法の前処置をする。
高気圧酸素療法の開始だ。
高気圧酸素室では、通常の2倍の気圧に酸素を上げる。
高圧になると鼓膜に激痛が走る。
鼓膜を切開すると痛みがなくなる。
低酸素による脳障害を少しでも救いたい。

酸素の力を信じて、治療を開始する。
evidenceがないのでは?
1万回に1回でも、効果あればいい。そして命が復活すればいい。
自分の夫なら、自分の恋人なら、どうするか。
答えは簡単。


早期通報
早期Bystander CPR
早期AED
早期ACLS(ドクターカー)
早期、心停止後ケア

希望のドクターカー2号が命を再生できるかどうか。
最善を尽くした後で祈る。
家族と同じ思いで。

震災7日目、まだ余震は強い。

(ドクターカー1号2号同時出動 完)


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