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東北関東大震災その13  ~福島への DMAT 出動 その4~

2011年03月28日 22:26


校庭には次々に車両が乗り入れ、すでに複雑さも規模も、前日とは比較にならない。
みな目の前の作業で精一杯、全体を把握することが難しくなっていた。
トラブルは、こんなときに襲ってくる。

DSC00311.png


■栃木行きのトラブル
小野田病院から到着した3台のバスは、30名ずつ自治医大と栃木リハビリテーションセンター体育館に振り分けて搬出、とされていた。
だが、体育館とは避難所だろうか?そうだとすれば軽症を選ぶべきだろう。
が、バスの中で、初めてみる高齢患者の中から軽症を選別するのは困難を極めた。

問題が起きたのは、このとき。
3台とも、付添い家族は自治医大行きと思っていた。リハビリセンター体育館という目的地も知らない。
病院関係者に聞くと「自治医大の隣にリハビリセンターがある。だから同じ場所だ」

私は DMAT本部に電話して確かめた。
「自治医大とリハビリセンターは隣同士か?」「ちがう」
「自治医大に全員運んでいいのか?」「いや、30人ずつ分けて運ぶ」
「それなら、こちらで搬送先を決定して良いのか?」「少し待って」

揉めているのか、まだ決まってなかったのか。
しばらくして返ってきた返事は「そちらで判断してよい」
「リハビリセンター体育館とは避難所か?それとも、そこで病院に振分けるのか?」
「わからない。直接で大田原日赤病院へ電話してほしい」

そこで私は、続けて衛星電話を取り上げた。
リハビリセンターを統括する太田原日赤病院の医師が応じてくれた。
「体育館で二次トリアージしてから入院病院を決める」

さらに、自治医大と福島県庁 DMAT本部は、電話で新しいことを決まっていた。
その情報が、川俣高校校庭のわれわれに伝わったのは1時間後。
「軽症が自治医大で、中等症がリハビリセンター」

今からその選別は、さらに不可能だ。
私は DMAT トリアージ班長を託した佐藤医師に無線で伝えた。
「このまま自治医大行と体育館行を決める。優先順位は搬出時間」佐藤医師も了解。

すでに、病院からバスが到着してから3時間。高齢患者には疲労感が漂っていた。
男性患者がトイレを希望したが、体育館裏の高台に階段で登らないと辿りつかない。
不自由な足取りでは到底無理。他に方法もなく、男性は立小便してしまった。

「出発前に再度、medical checkを」佐藤医師の号令で、DMAT が2台のバスに入る。
「バスのドライバーは、行先が自治医大と聞いている。」佐藤医師からの無線。
「リハビリセンター体育館の住所を教えてほしい」「了解、県庁に聞く」
さらにドライバーから、バスに医療従事者が乗らないと不安だと言う声が挙がる。
これには、搬送元病院の看護師が付いてくれることになった。
自治医大行き28名、栃木リハビリセンター体育館行き32名の出発は、日暮れ後だった。


■防災ヘリもトラブル
栃木便がトラブルに陥っている頃、統括補佐の千葉医師は別な問題に対応していた。
午前中、本部は防災ヘリ4機が待機していると伝えてきたが、待機場所も分からない。
地上支援が必要になるだろう、と自衛隊は地上支援に向け準備を開始しようとした。
すると、次に本部から伝えられたのは「支援は地元消防が行う、支援隊を待て」

支援隊は昼頃に到着、校庭の真ん中に H マークを描いて待機している。
やっとヘリ搬送の対象となる患者1名が決まったところで、14時過ぎに1機目を要請。

DSC00310.png

福島空港から、15分ほどで栃木防災ヘリが降りてきた。ダウンウォッシュで土が舞う。
着陸点と体育館内の臨時ベッドの間は、ヘリの担架で搬送してもらった。

DSC00308.png

離陸したのは14時20分頃だったろうか。
支援隊の隊長が、「15時までにヘリを出さないと、新潟から帰って来れません」
さあ、そうなると離着陸の時間も惜しい。
15分間隔で福島空港からヘリを離陸させるよう伝え、対象患者を急いで探す。
この時点では、搬送対象となる残り3名を選び出す作業の真っ最中だった。

離着陸の時間を短縮するため、ヘリポート最寄りに患者を救急車で寄せておこう。
しかし、救急車は何台もあるが行先はみな決まっていて、待機させるのは難しいという。
支援隊の隊長に頼み、何とか体育館からヘリポート間近に患者を運ぶ救急車を確保。

準備する間に2機目の防災ヘリが降りてくる、今度は鮮やかな黄色の滋賀防災ヘリ。
ところが、滋賀防災ヘリが着陸する前に支援隊長から報告が入る。
「新潟方面は天候不良で飛べない、患者を乗せてここに戻って来ます」!

仕方ない、防災ヘリは全機キャンセルだ。
せっかく降りた滋賀防災ヘリにも、そのまま福島空港へ戻ってもらった。

DSC00314.png


患者は陸送するしかないので、患者を載せた救急車はそのまま走ってもらおう。
そして、陸送に振り替える患者4名分の救急車を追加要請だ。
・・・しかし、緊消隊も手持ちの救急車が出払っていたため、
補充の救急車が到着するまでには、さらに数時間を要することになった。

(続く)


コメント

  1. 八戸ドクターカー1 | URL | hChi9nWY

    ハプニング

    最近ブログずっとコメント書いています昨日は内容は内容が難しかったので書けませんでした小学校のグランドで高齢患者の乗った三台のバスが到着しトリアージして救急車で病院運びたいのに緊消隊の救急車が出払っていたりDMAT本部との勘違いで防災ヘリ一機が到着するもキャンセルし他の防災ヘリもキャンセルしいろいろ大変でしたねこれからも頑張って下さい

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