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またもサンダーバード作戦、今度は七戸 その1

2011年03月04日 21:24


土曜の朝は、零下7度。
ヘリポートは、氷と雪で美しく輝いていた。

朝のミーティングで機長が言った。
「寒波が日本列島を襲っています。県内は八戸上空を除き、雪のため飛行できません。
 本日、青森・津軽・下北への出動は無理です。十和田、三沢もおそらく難しい。
 飛べるのは、見えている範囲だけです」
八戸上空は青空、日差しもまぶしいほどだが、30km も離れると雪雲らしい。

午前中から八戸ER は大盛上がり、インフルエンザに混じって重症患者も運ばれる。
ドクターカーが出動したのは心タンポナーデの男性。
高田医師と安部医師が、心嚢に針を刺してドレーンを入れた。

県境の階上町から、出動要請が入る。
15時23分、消防無線を傍受した CS がドクターヘリ出動を予想し、機長に伝えた。
「八戸市民病院から青森ドクターヘリ101、出動準備お願いします」短い無線だった。

青森ドクターヘリ101は、機長が持っている小型ハンディ無線のコールナンバー。
フライトドクターが持っているのが青森ドクターヘリ102。

厳しい寒さを避け、格納庫でわずかに氷点下より暖められていた EC135が、
張り詰めた冬の午後の日差しの中に引っ張りだされた。整備士の吐く息は一段と白い。

15時30分予想通りドクターヘリに出動要請。
EC135のエンジンは、いつも通り吹き上がった。
降雪地域で格納庫がないドクターヘリもあるというが、冬はどうしているのだろうか。

15時33分離陸。西風に向かって上昇した EC135は、海鳥を避けるように舵を切った。
右旋回し、病院の上30m を通過する。太平洋は絶景だ。
遠くの下北半島方面は雲で見えなかったが、南の三陸海岸方面では青い海が見えた。

海岸近くを高度230mで南へ向かう。
「ランデブーポイントは○○漁港。」CS に続けて、次は八戸消防指令課の矢田部さん。
「○○漁港がランデブ-ポイントです。患者宅はその東、△△小学校近く。
 ドクターナースを△△小学校グラウンドへ下ろして、いったん離陸。
 それから○○漁港で、救急車とドッキングできるか。」
「ドクターナースをグラウンドへ下ろし、状況が良ければ救急車を待ちます。」整備士
「現在、△△小学校グラウンドの積雪状況を確認中」
「青森ドクターヘリ到着まであと3分」

小学校の上空に到着した。
よく晴れている。 海に近いせいか、海風で飛ばされ雪は少ない。
ところどころ校庭の砂が見えるが、凍っているため砂が巻き上がることはない。

「青森ドクターヘリ1より八消本部、これより△△小学校グラウンドに着陸します。
 雪が少ないので、このままここで救急車を待ちます」
「八消本部了解」

整備士が私たちに話しかけた。
「校庭の南側に停まっている救急車が見えますか?
 あそこが現場です。注意して進入してください」
15時39分、無人の△△小学校グラウンドに着陸。

「救急隊員が1名迎えに来ています」
整備士が言ったとおり、水色の感染予防服を来た救急隊が手招きしている。

学校の裏から細い坂道を駆け上がって患者宅へ向かうが、氷や雪で歩きにくい。
福岡生まれの安部医師は用意周到に、靴に雪道用の滑止めスパイクをつけていた。

患者は心肺停止だった。

状況を考えれば、ここに長時間とどまるのは不利。
必要最低限の緊急処置を行い、すみやかに患者宅を出ることにした。

自宅を出ると、道がふたつ。
左へ進めば、急坂を下りてグラウンドに駐機してあるドクターヘリまで200m。
右へ進めば、すぐ救急車。ドクターヘリに向かうか、直近の病院まで走るか。

(続く)


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