スポンサーサイト

--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

早朝のサンダーバード作戦、そして…  その5

2011年02月10日 23:41

(直近への着陸は難しいため、離れた場所でのランデブーへと向かう)

赤車は、進行方向そのままにスタートした。
白い救急車は少しそこに留まったようだが、ドクターヘリがすぐ現場を離脱したので、出発を確認できなかった。

積雪路を自動車で4kmは遠いが、空なら時速200km で数秒だ。
あっという間に、黄色の外壁の新郷温泉館上空に着いた。

「赤車がいる。小さくて郵便局の車みたいだけど、屋根に赤灯があるから消防だね」

DSC08013.png

消防士が腕を振っている。周囲の安全は確保済みのようだ。
人影はなく、車もすべて移動済み。
駐車場の広さも問題ないが、電線と街灯が両側にある。
そして北には、除雪されて積まれた雪山がみえる。

「青森ドクターヘリから八消55、これより着陸体制に入る」
「そこにいる赤車は八消55にあらず。十分注意して着陸されたい」しわがれた声だ。
下の消防士はこちらを見て、誘導の合図をしている。
きっと彼も、こんなに大きな機体を誘導する責任感に緊張しているはず。

機長と整備士はいつも通り声をかけながらゆっくりと機体の高度を下げた。
針葉樹が揺れる。
街路灯が揺れる。
電線が揺れる。

ゴーグル姿の消防士はこちらを凝視している。
彼が立っているアスファルトの上も、これから着陸する場所も、凍っている。

EC135は高度をさらに下げ、左スキッドから先に接地した。
すると、わずかに機体が前に滑り始めた。
機長は瞬時にメインローターの回転を上げ、数センチ上昇。
すかさずメインローターを後ろに傾け、1m ほど後退した。

それから再び接地。今度はしっかり着地した。
整備士が、左ドアから降りた。
整備士EC135の前に出る。地面を見ながら、機長に外から合図を送る。
EC135は整備士の合図に合わせて、機首を右左に振る。
浅虫水族館のいるかショーのように。
どうやら、しっかりした接地面を探しているようだが、機内からは見えない。
「いいですよ。エンジン止めます」
機長のゆったりした言葉に、町田医師は安心した声をあげた。
「こんな厳しい状況でも、さすが機長は冷静ですね。」

DSC08016.png

「ここは滑るから、ヘルメットかぶって出よう」
ちょうど救急車が駐車場に入ってきた。

DSC08017.png

不安定な地面でのストレッチャー移動を最小限にするため、
なるべく救急車をヘリコプターに近づけるよう整備士に伝えた。

メインローターの直前で、停止した救急車はハッチを開けた。
患者と接触する。

(最終回へ続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/603-fe03f050
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。