孤立集落へ出動セヨ! その4 最終回

2011年01月23日 23:48

(無事に着陸を果たし、現場の処置もなんとか完了。あとは搬送だ)

「バックボード固定お願いします」
野田頭医師と看護師が患者を固定したバックボードを、左右3名ずつの男と持ち上げる。
玄関を通過して外に出ると、お日様はまだ見えていた。

野田頭医師と看護師に患者を任せて、私は患者の妻に話を聞いた。
アレルギー歴、最終の食事時刻、内服薬、目撃した事故状況。どれも必須の情報だ。
「血液をサラサラにする薬」つまり抗血小板薬が2種類、処方されていた。
「これは侮れない」

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「収容は八戸市民病院 ER へお願いします。」
EC135は、先ほどの着陸場所からわずかに移動して駐機していた。

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狭いヘリコプターの室内に全員が乗り込み、患者に心電図モニターの電極を貼る。
私はマイクが左頬の位置に突き出たヘルメットをかぶり、「エンジンスタートどうぞ」

その声で機長は後ろを振りかえり、スタッフの動きを確認してからエンジンスタート。
心電図モニターのスイッチが押され、緑色の線がきれいに写る。
野田頭医師は患者にヘッドフォーンをつけ、「お話できますからね」と声を掛けた。

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整備士が左前席に乗り込むと、「離陸します」と機長から声がかかる。
12時55分 離陸。

消防隊と救急隊に見守られて、EC135は上昇した。
機体の足にあたる2本のスキッドには、カンジキが装着されている。

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最初に左のスキッドが雪面から離れ、続いて右スキッドが浮いた。
次の瞬間、機体は水平になった。
そして、まっすぐ上昇。

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針葉樹林が揺れ、20m 下の雪原には雪煙が広がった。
顔を手で覆い雪煙を防ぐ古川隊長が目に入る。

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ゆっくり右回旋しながら、林と同じ高さになった。
「すぐ病院に着きますよ」看護師が患者に声をかけている。

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弱い西風に背中を押され、EC135 は時速220kmで八戸に向かった。
13時05分、八戸市立市民病院救命救急センターへリポートに着陸。
元日出勤の吉村医師が、ヘリポートドアの外で待機していてくれた。

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患者をヘリコプターから下ろすと急に天候が悪化した。
あと5分到着が遅れていたら、着陸に制限を受けたかもしれない。
冬の天候は変わりやすい。

さぁ、救命の仕上げだ。


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