白神山地へ出動 その2

2010年11月17日 21:13

(初めての白神山地へ、ドクターヘリは八甲田山を越えてゆく)

後方支援をしている間も、CS 室では常に消防無線を傍受している。
白神へのドクターヘリ出動と関係なく、今日は活発に無線通信が入感する。

「八戸ドクターカー現場到着」ドライバーの声だ。
ラピッドドクターカーが出動しているのだ。
ドクターカー・救急車・八戸消防本部がやり取りする無線交信が聞こえてくる。
ラピッドドクターカーは県境の階上町に出動中のようだ。

そのとき、無線機から別な情報が飛び込んできた。
「八消救急○○より八消本部、患者JCS100、ショック状態」
「収容は八戸市民病院救命センターに連絡済、以上八戸消防本部」

どうやら、ラピッドドクターカーが階上町へ出動している間に、
八戸市内で発生したショック患者に、ドクターカー出動要請がかかっていたようだ。
ドクターヘリも出動中で対応できず、救急車搬送でこちらに向かっている。

このように要請が重複することが、時々ある。
こんなときは、ドクターヘリかドクターカーが、もう一台あればと思う。
もし八甲田山の西側にドクターヘリ2があったなら?
ドクターヘリ1は八甲田山で引きかえし、階上の事案に出動しただろう。
あるいは最初から、八甲田山の西側をドクターヘリ2に任せただろう。
またドクターカーが2台あったら、階上に出た後でも市内にドクターカー2が出ただろう。

受信した無線で、悔しさを跳ね返す空想から我に返った。
11時12分「青森ドクターヘリ1より八戸市民病院、まもなく無線が通じなくなります」
声は聞こえるが雑音が混じる。無線通信のメリット3だ。
「八戸市民病院から青森ドクターヘリ1、一方的に通信します。
 アクアビレッジあんもんの駐車場はバスの移動中。
 着陸が無理なら砂子背へリポート、GPS番号は◯◯◯◯。以上八戸市民病院」
「・・・・・」
やはり、ドクターヘリからの声は聞こえない。
CS からの送信は出力が大きいが、ドクターヘリの無線は出力が小さい。
いかに高所にあるとはいえ、ここまでは届かない。

「八戸ドクターカー引き上げ」無線機が響く。

11時15分、CSは駐車場の施設代表に電話をかけた。
「バスの移動は完了しています」

11時35分、EC135 は アクアビレッジあんもん駐車場に着陸。
患者に接触、初期治療、そしてヘリコプター搬送の準備と迅速に作業を進める。
11時49分、弘前消防に見守られて離陸した。

11時58分、弘前大学病院の屋上へリポートへ着陸。
へリポートから2階の救命救急センターへ、ドクターヘリのストレッチャーで移送する。
簡単に申し送りを済ませ、あとは救急医に託す。
ストレッチャーを押しながら、エレベーターで屋上まで上昇した。

12時17分離陸。
八戸では別事案で盛り上がっているかも知れない。気になる。
いったん青森空港へ向かう。そこで給油だ。
八戸市立市民病院に到着したのは、13時06分だった。



今は全県1機の青森県ドクターヘリ。
山脈の西と東を往復するミッションでは、どうしても途中給油が必要になる。
弘前大学にも給油設備があれば時間短縮に大きく貢献する。
長野県では、遠方の拠点病院に給油装置を設置してあるそうだ。

先日、大間病院の丸山院長にこのことを頼んでみた。
「大間でも給油が出来るようにしたい。給油ポンプを用意できますか?」

「考えてみましょう」ドクターヘリの威力を知る丸山院長は、前向きだった。


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