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今さら解説!? コード・ブルー 2nd season 飛行機事故 その1

2010年03月30日 21:47

とうとう放映が終了してしまったコードブルー 2nd season。
さらに一週間が過ぎてしまいましたが、いまさらながら最終回について少し。

引き続き、飛行機の墜落現場と現場救護所で奮闘するフェローたち。
最終回に登場した症例は、
1.緋山先生 : 横隔膜損傷により呼吸不全に陥った小児
2.藤川先生 : 骨盤骨折があり、右足の血流が悪い男性
3.ガッキー : 骨盤骨折と心損傷でショックになった高齢男性
3.山P   : 右下腿が挟まれてしまった男の子

と、どれも目が離せない展開でした。
今回はまず、順番に1.から解説してみましょう。


最初は第10話でした。苦しがっている男の子を診てくれと、母親が緋山先生を捕まえます。
辛そうに目を閉じた子どもを横にして診察すると、重症感が漂っています。
気胸を疑いますが確信をもてる手がかりはなし、しかし酸素化が急速に悪化します。
右の肩口などに打撲痕があるようですが、全容は分かりません。

急いで気管挿管してみたものの換気抵抗が強くバッグが硬い。
[黒いゴム製のバッグが映っていましたね。あれがチューブを通して肺と繋がっています。
バッグを押せば肺が膨らみ、その時の抵抗を手で感じることができます。
麻酔科医は押す量を精密にコントロールするだけでなく微妙な抵抗をも敏感に察知しますが、慣れれば看護師でも極端な場合は判断できます。
途中が狭くなっていたり、肺が何かに押されると抵抗が強くなり酸素が体に入りません。]


エコーを当てると、見慣れない画像が映し出されています。
[エコーは、超音波を臓器や組織に当てて反射してきた信号を映像にする原理です。
正常の肺なら、超音波を通さない空気が詰まっているので何も見えません。
外傷で血液が溜まれば、水分なので反射がなく真っ黒に透けて見えます。]

普通に考えれば真っ白か真っ黒のハズなのに、白と黒が混じって形もはっきりしない画像
[これをモザイクエコーと表現します]

しかし橘先生の知識と経験が光りました。
無線の向こうで、左横隔膜損傷と一発で診断してきました!
本当はこれ、分からないなりにエコー画像を正確に伝えた緋山先生もエラいと思うのですが…


さて、緋山先生は躊躇しつつ現場手術に挑むのですが、ここから解説を。
横隔膜とは、皆さんご存知の通り胸とお腹を仕切っている膜型の筋肉です。
焼肉ではハラミと呼ばれる部分ですね。
横隔膜が下に向かって動くと、肺が広がって空気を吸い込みます。
ここで、食道は胸で胃袋はお腹です。また心臓から出た大動脈は全身に通じています。
このように、横隔膜にはいくつか穴が空いています。この穴から臓器がハミ出すと横隔膜ヘルニアと呼ばれます。生まれつきの問題があったり、継ぎ目が緩くなって起こることもあります。

横隔膜は分厚い筋肉なので、損傷を受けるようなら多くは重症です。
つまり、他の臓器も無傷では済みません。
右側の横隔膜はすぐ下に大きな肝臓が、左側には脾臓があります。
どちらも大量に出血する臓器ですから、肝損傷や脾損傷を合併した横隔膜損傷は、ハッキリ言って救命困難です。
鈍的外傷[鋭的外傷は刃物が刺さった、銃で撃たれた、など。それ以外は鈍的外傷です]による横隔膜損傷では、半数以上がショックになるとも言われています。

ドラマでも緋山先生が手こずっていたように、横隔膜損傷を現場で正確に診断するのは難しいものです。エコーでも見つからず、病院でレントゲンやCTを撮影して初めて診断される場合も少なくありません。

そして治療です。
書いたばかりですが現場で診断されることは多くないと思いますが、もし診断できたとしても決定的治療は困難です。
ドラマのように破れた横隔膜から内臓が胸の方にはみ出してしまう[つまり、外傷性の横隔膜ヘルニア]と、肺が押されて呼吸停止したり心臓が押されて心停止になったりと致命的です。といって、現場で破れた横隔膜を縫い合わせるのは不可能です。

この場合、手術用などの滅菌したタオルを広げて穴に当て、ヘルニアが再発しないよう防ぐ程度が限度でしょう。
その状態で時間を稼ぎ、病院へ急いで搬送したら緊急手術へ持ち込むことができます。

橘先生はタオルパッキングを指示していましたが、似たような考えと思います。ただし詰め込みすぎても肺が広がりにくくなるので注意が必要ですが。。。


コメント

  1. k.f.d | URL | zdvXpt9s

    毎回・・・

    勉強になります。
    ありがとうございます!

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