CSを目指す方へ

2010年03月21日 18:13

これまでに数件,運航調整を担当するCSについて問合せをいただいています。
青森県が業務委託している中日本航空の西村CSから,以下のコメントを頂きました.
時間がかかってしまい,申し訳ありませんでした.

0324_青森県ドクターヘリ通信センター

【CSコメント】
こんにちは。CS(Communication Specialist)を担当している中日本航空株式会社の西村と申します。CSの仕事に興味を持ってくださいまして嬉しく思います。


●まずCSが担当する業務についてです。
当然のことではありますが、ドクターヘリの運航では事故無く安全に飛行することが最も大切です。CSはそのために、天候状況を常に把握して、予測とともにパイロットに伝えます。
そのためには、的確な天候判断と予測を行う知識はもちろん、航空法規や無線通信の技能を要求されるので、地上で運航を支えるCSの役割は非常に重要です。

次に、消防機関や医療機関との調整です。
ドクターヘリは消防の要請が必須条件なので、消防のホットライン入電が開始の合図です。
この要請入電から、ドクターヘリが基地へリポートに着陸して患者さんが収容されるまで、ひと時も通信機器から離れず通信や電話を繰り返します。
ここでも、着陸地点の広さや医療に関する知識はもちろん、短時間に有効な情報収集を行い関係機関と円滑な調整を行うためにはコミュニケーション能力が求められます。

更に、ドクターヘリ運航に関わる多くの専門職とのチームワークも必要不可欠です。業務にあたっては、救命活動に携わる一員としての自覚も欠かせません。

このように、地道に情報収集を行いながらスタンバイし、いざ要請がかかれば瞬時の判断と確実な情報伝達を求められる、緩急の激しい業務といえます。


●CS業務に携わる資格のこと。
現在、日本ではCSの資格や認定制度は存在しません。業務に必要な資格は、航空無線通信士及び第3級陸上特殊無線技士以上の免許のみです。
しかし、資格取得よりも取得してからの技能習熟が重要です。上記の資格を取得しても、それだけでCS業務に就くことはできません。

なお、ヘリコプター救急の先進国である米国では、NAACS[National Association of Air medical Communication Specialists]というNPOによる認定制度があります。
私を含む中日本航空CSの数名は、2009年10月に米国サンノゼでNAACSが主催した講習会を受講してCFC[Certified Flight Communicator]を取得しました。
ちなみに日本からの参加は、私たちが初めてだったそうです。


●CSの所属や就業環境についても少し解説してみます。
現在ドクターヘリのCSは、全国どこでもヘリ運航会社から派遣されています。
これはドクターヘリの事業規定が、運航会社との委託契約を前提としているからです。つまり、ドクターヘリに関わるためには運航会社に所属する必要があるのです。

運航会社への就職に年齢制限はありませんが、いわゆる中途採用される方が多く、航空関係の業務経験を求められる場合もあります。
入社後は、運航会社によって違うでしょうが、基本的には社内訓練で運航管理業務に関する知識を習得してから、はじめてCS業務の訓練に入ります。その後に社内規定に沿った審査を経て、最終的にCSとしてドクターヘリ業務に従事することができます。


このように、決して平坦な過程ではありませんが、経験を積めば積むほど責任とやりがいを感じる仕事と考えています。
以前に今先生がコメントされたように、ドクターヘリを運航する県は必ず増えます。CS要員の需要も出てくる可能性がありますので、チャンスかも知れません!

0324_NAACS劇T
NAACSのCFCインストラクターに八戸劇的救命Tシャツをプレゼント!の図


コメント

  1. 名無しさん | URL | -

    こんにちは。
    以前コメントさせていただいた
    名古屋市在住の高校1年生のものです。

    進路として看護師を考えているのですが、今回の記事を読んでもしよろしければ
    看護師の方にも教えていただきたいと思いコメントさせていただきました。
    本気でなりたいとおもっています!
    是非よろしくお願いします。

  2. MESHサポーター | URL | DplZlQQ2

    日米の違い

    聞いた話ですと米国でのCSは医療関係者がなることが多く、航空気象のような運航関連の知識はそれほど深いものではないようです。ひょっとしたら米国で救急ヘリ事故が多いのも、日本のようにヘリコプター運航会社の運航系職員のしっかりしたサポートがないことが少しは関係しているのかもしれません。
    それにしても米国でのカンファレンスに参加して資格まで取得してしまうのは、会社のバックアップもあるのでしょうが素晴らしいことだと思います。海外事例の良いところは取り入れ、悪いところは反面教師として、日本のドクターヘリの品質をより高めていっていただければと思います。

  3. 佐々木助三郎 | URL | -

     CS業務、各航空会社の採用情報をいろいろ調べてみました。
    航空無線通信士または、航空特殊無線技士免許取得者というのもありました。どちらかの免許を持っていればいいのでしょうか?

  4. fellows | URL | -

    Re: タイトルなし

    佐々木様
    コメントありがとうございます。

    航空会社への採用に関して詳細は存じませんので、個別にお問い合わせください。
    一般論として採用前に資格があれば、他の条件が同一の際には有利と思います。

    CS業務に関しては、以前も記事を掲載しました。
    ご参照いただければ幸いです。
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/blog-entry-280.html

    >  CS業務、各航空会社の採用情報をいろいろ調べてみました。
    > 航空無線通信士または、航空特殊無線技士免許取得者というのもありました。どちらかの免許を持っていればいいのでしょうか?

  5. うみんちゅ | URL | dhzyb3b2

    経験の浅いCSについて

     こんばんは、青森県ドクターヘリのブログは、出動事例とか細かく記述されており、とても勉強になります。CSについて、聞きたいのですがCSは、やはり現場での経験をつむことにより、迅速性、正確性が増すのだとおもいますが、ベテランのCSに比べて現場にでたばかりの、経験の浅いCSは、最初戸惑うと思うのですが、どの部分がベテランに比べて劣っているものなのですか?
    現場での一番判断の選択に困るものなどあるのですか?とても興味あります。

  6. | |

    承認待ちコメント

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  7. 蟹江光希 | URL | -

    すごい!

    私は今CSになろうかな?とおもって
    います!
    自信を持つことが大事なんだな!
    っておもいました!

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