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心筋梗塞劇的救命 前半

2018年10月07日 17:02

男性は胸痛を訴えて三戸病院を受診した。
最初は心電図変化がなかったが、2回目の心電図で異常が出た。
主治医は八戸救命救急センターへの転送を決意する。
ドクターヘリ要請は15時1分。
4分後ドクターヘリは離陸した。
10分の飛行で三戸病院の駐車場に着いた。
三戸病院は、駐車場の一部をドクターヘリ専用着陸場にしている。
普段から、着陸予定地には車を停めていない。
広々としたアスファルトの駐車場をめがけてEC135が降下する。
三戸病院の3階病棟の窓に、白い機体が映る。
窓に映る白い機体は思ったより巨大に見える。
窓3つ分におさまらない。
2階の病棟に影が移る。
そして着陸した。

私と田中医師、ナースは機外に出た。
小走りで1分、三戸病院の救急室の自動ドアを開ける。
男性は救急室のベッドにいた。
ベッドの上で仰向けで目をつぶっている。
上半身は少し起こしてある。
心不全体位だ。
冷汗が全身にある。
橈骨動脈が弱い。
酸素飽和度が測定不能。
血圧測定不能。
もはや心不全の進行した心臓原性ショックだ。
脳血流が落ちていて、意識が悪い。
上半身を挙げて対応できる時期は過ぎている。
むしろ、脳血流確保が優先される。
私は、ベッドを水平にした。
「ここで気管挿管します。8mmチューブ用意して、鎮静はミダゾラム1mg静注のみ」
鎮静剤を通常両使うと、
心臓停止するかもしれない。
わずか、ミダゾラム1mg静注で、患者のあごは柔らかくなった。
気管挿管できるくらいに開口できる。
気管挿管は簡単だった。
(続く)


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