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泥沼からの劇的救命 その6

2018年05月13日 18:10

バックバルブで人工呼吸をすると気管チューブから泥水が噴き出た。
沼のほとりで繰り広げられる劇的救命へのアプローチだ。
男性は救急車に収容され、
患者はドクターヘリが待つランデブーポイントへ向かった。
13時9分ようやく救急車内で血管確保ができた。
アドレナリン1mgが注射された。
移動中の車内ではルーカスがつけられた。
13時18分瞳孔は6mmで対光反射があった。
低体温状態では低体温による脳をはじめとする重要臓器の保護作用が期待できるため、
心停止時間がたとえ長くても、
救命できる可能性がある。

ドクターヘリ収容時には、呼吸が出た。
心電図は、心室細動に変わった。

離陸直線に、
近藤医師は、
八戸ERのダイレクトコードブルーPHSに電話する余裕はなかった。
八戸ドクターヘリの収容病院の9割は
八戸市立市民病院救命救急センターだ。
電話連絡なしに、離陸することは、
生命が緊迫して状態を意味することは、
八戸ERスタッフは承知している。

希望のドクターヘリは、
救助現場を
13時21分に離陸した。
離陸したEC135の後部のドクターシートには近藤医師が乗る。
近藤医師の膝の前には気管挿管されている男性が寝かせられている。
近藤医師はペンライトで男性の目に光を入れた。
すると、対光反射あり。
これはいけるぞと、近藤医師は思った。

CPRはナースが行った。
近藤医師は、右足で無線のスイッチを踏んだ。
救急処置中でも、
足のスイッチで無線の会話できるようになっている。
(続く)


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