気胸 その1

2017年02月19日 18:57

低気圧と低気圧の間の
晴れの日だった。
昨日までの冬型気圧配置で、
北国は豪雪となっていた。
今日は晴れ。
しかし、気温は低い。
機長は朝のブリーフィングで
「寒気団が上空にあります。
気温が下がります。
充分な防寒対策をとってください。
離着陸時は、
氷で機体が回転する事があります。
注意が必要です」
機体の重みで通常はヘリコプターは着地していると、
地面が氷でも、びくともしない。
しかし、天井のメインローターが回り、
機体が浮き気味になると、
さらに、メインローターの回転の力が加わると、
それまでどっしり氷についていたスキッド(ヘリコプターの二本の足)の、
摩擦係数が減り、
滑りだす。


午前中の要請は、
胸痛男性。
今日のヘリ番は私と佐々木研修医。
ランデブーポイントの下田公園には、5分で到達した。
着陸して、救急車の到着を待った。

数分後に救急車は胸痛男性を乗せてランデブーポイントにやってきた。

救急車内で診察を始めた。
冷や汗はない。
脈拍はよく触れる。
呼吸は早い。
意識はよい。
血圧、心拍数はよし。
血圧左右差はない。
酸素飽和度が、酸素投与にも関わらず95%で低かった。
呼吸音異常はない。
胸痛は4時間続いている。
心電図12誘導は問題ない。
胸痛は、呼吸で増減するという。
痛いところを手で示してもらった。
すると、右手の示指と中指で、指して教えてくれた。
「痛みは呼吸の強さで変わりますか?」
「変わります。大きく吸うと痛い」
指先で示す胸痛に重症は少ないとは言う。
ての平や握りこぶしで示す胸痛は重症という。
しかし、指先で示す胸痛にも重症が
3%存在するという。
100人心筋梗塞がいたら
3人は指先で痛いところを示す。
呼吸で痛みが変動する心筋梗塞も2%くらいる。
見逃してはいけない胸痛を知っていれば、
現場での診察は確率から最大に可能清のある病気を考えて行動する。
今回は頻度から言って、
心筋梗塞ではなく、
呼吸に関した胸痛の可能性が高い。


「胸痛は、肺が原因だ」私は強く思った。
だが、肺エコーをしたが、異常所見は見つけられなかった。
気胸を見つけるエコー検査だ。
酸素投与継続で、ヘリコプターに収容した。
(続く)


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