屋根から墜落

2017年02月18日 18:53

男性は、屋根に上り作業をしていた。
家族は危ないのでやめろと、
注意をしたが、
頑固な男性は聞く耳を持たない。

作業中に足を滑らす。
ヘルメットはかぶっていなかった。

119通報は三沢消防に入った。
救急車が出動する。
八戸ドクターヘリに出動要請が入った。
ヘリ番は木村医師。

木村医師が患者に接触したのは
救急車の中だった。
男性は骨盤を痛がっていた。
三沢救急隊は、
墜落外傷による骨盤骨折を考えて、
骨盤固定帯サムスリングを使用していた。
聴診器で聞いた呼吸音は左で弱い。
気胸はある。
だが緊急度の高いの緊張性気胸ではない。
血圧は安定していた。
輸液路をとって、麻薬を入れた。
患者の痛みはすこし遠のいた。

木村医師は患者をドクターヘリに収容した。
止血剤のトランサミンを注射する。
向かうは八戸ER.

ドクターヘリは8分で八戸市立市民病院救命救急センターに到着した。
まずERに患者は入った。
骨盤と胸部のレントゲンを撮影した。
骨盤骨折がある。
気胸がある。
胸腔ドレーンを近藤医師が入れた。
気胸の治療だ。
緊張気胸と言って、
血圧低下と低酸素状態の気胸では
現場で胸腔ドレーンを入れる。
そうしないと心臓停止するかもしれない。
しかし、そうでない気胸は、
ERまで運んで胸腔ドレーンを入れることが多い。
現場で入れる胸腔ドレーンは、
感染する危険が高いからだ。
ただし、ヘリコプターで上空の気圧の低い場所を飛ぶと、
軽症気胸も、
低気圧のせいで大きな気胸になる危険もある。
だから、気胸に対しては、
いつでも胸腔ドレーンを入れられるように、ヘリコプター内で観察する。
現場ではレントゲンを撮れないので、
現場では身体所見と症状、経皮酸素飽和度から気胸を診断する。
最近では、それに加えて
肺エコーも普及してきた。

骨盤骨折については
現場救急隊の観察は当たっていた。
骨盤骨折も、現場で
レントゲンは撮れない。
現場では身体所見と症状、受傷機転から骨盤骨折を診断する。
骨盤骨折身体所見とは、
下肢の長さが左右で違う。
骨盤、会陰に血種、
骨盤に圧痛、
大腿の内旋、外旋の変形など。

患者はCT室へ移動した。

胸椎9番目と腰椎1番目が折れていた。
さらに大動脈にも亀裂がある。
骨盤骨折もある。

血圧が安定、貧血なし。

患者は救命救急センターに入院した。

(完)

・・・・・・
明日は、気胸に患者です



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