フレイルチェスト動揺胸郭 最終

2016年12月17日 20:00

フレイルチェストとは、多発肋骨骨折に肺挫傷を伴う、
重症胸部外傷だ。
人工呼吸が長期間必要になる。
また、肋骨の固定手術も必要になることがある。

翌朝のカンファランスで、
肋骨固定手術の必要性が決定した。

4日目、男性は人工呼吸状態で
手術室に入った。
野田頭副所長が執刀する。
ドクターヘリで現場に飛んだ
伊沢医師が助手をする。
大城研修医が第2助手だ。
麻酔係は、ドクターヘリで現場で胸腔ドレーンを入れた
長谷川医師だ。

手術後、2日で
気管チューブを抜去し、
人工呼吸を止める。
意識も戻った。

最後に、
フレイルチェストもう少し詳しく解説します。

○フレイルチェスト
【概念/病態】
 連続する数本の肋骨が骨折した場合に、
胸郭の奇異性運動を来すことがあり、
フレイルチェストという。
奇異性運動とは、
骨連続性を失った胸壁(フレイルセグメントという)が、
吸気時に陥没し呼気時に膨隆する運動である
(通常は、吸気時に胸郭は挙上し呼気時に下がるが、
骨連続性が失われるとその動きについていけないため、
折れている肋骨の集団が吸気時に陥没し
呼気時に膨隆しているように見える)。
高エネルギーを受けている為、
肺挫傷や気胸を高率で合併し、
呼吸不全を来す。
好発部位は胸壁の前面、側面である。
【診断】
 診断は、注意深く胸郭運動を観察し(視診)、
奇異性運動に気づく事である。
骨折であるため、
肋骨骨折と同じく骨折部位に一致して圧痛を認め、
多発肋骨骨折のため胸郭が動揺しており、
触診にて胸郭の不安定性(ぐにゃぐにゃ)を確認する。
また、気胸を合併し皮下気腫(握雪感)を認めることも多い。

【治療】
 治療は、病院到着前であれば、
奇異性運動を示している胸壁に厚めのガーゼやタオルで圧迫し、
テープでしっかりと固定する。
呼吸不全に対して高濃度酸素投与を行う。
病院到着後は、
気管挿管を行い陽圧換気を行う(内固定という)。
陽圧をかけることで胸郭の動揺が改善する。
また、
肋骨骨折に対して、
疼痛コントロールを行う。
2週間前後を目安に陽圧換気を継続しても、
動揺性が改善しない場合は、
肋骨固定術を考慮する。

フレイルチェスト動揺胸郭 完


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