救急医だからできること

2016年11月16日 08:35

「救急医だからできる10のこと」
救急後期研修医(救急科専攻医)募集

 ドクターヘリ

ドクターヘリやドクターカーで出動し病院前診療を行える。
 「重症患者だって、発症から、
受傷からすぐに治療を開始すれば助けられる。
病院内の診療とは違う、
非日常的な現場出動をできるのは、救急医」
////////

昨夜の雨で、湿度が上がっています。
天気は、小雨です。
その日は出動ないのかなと思っていた午後3時54分に
ドクターヘリ出動要請が来ました。
砕石場で労災事故が起こりました。
ヘリコプターは、出動要請を受けてから3分後に離陸しました。
目的地は、山間にある採石場です。
時速200kmのヘリコプターは離陸して5分で現場上空に到達しました。
川の近くの広い採石場に、赤い消防車と白い救急車が止まっています。
ドクターヘリには、機長と整備士が前席に乗っています。
後ろの席には、医師2名と看護師1名が乗ります。
医師1名は救急科専門医、
そしてもう一名は救急科専攻医です。

それから患者用のベッドが備えられています。
機内では、自由にヘッドホーンとマイクで会話ができます。
消防や、病院、飛行場とは無線で話できます。

 整備長は無線で、消防と交信し、着陸地点を打ち合せしました。
ヘリコプターは高度を落とします。
途中でいったん高度を保ち、
もう一度目的地に電線や、障害物がないことを確認します。

その日は運がいいです。
雨のせいで、砂に湿気があり、埃と煙が上がりません。

ヘリコプターが着陸するとすぐに、エンジンが切られます。
惰性で回る天井のプロペラに、注意しながら、
私たちは頭を下げて機外に出ました。

すぐに消防隊が案内してくれます。
危険な現場で医療活動する場合は、
消防隊と同じように、ヘルメットと、安全靴、つなぎ服を着用します。

急な階段を降りて、砂埃がまっている作業場に入ります。

裸電球と日光だけでは薄暗い室内です。
救急隊長は大声で、こっちだと叫びます。
このような作業事故現場は、危険に満ちています。
天井や周りを注意深く観察しながら、私たちはゆっくりと患者に近づきます。
私たちは、彼の異常に一目で気づきました。
右腕がありません。
顔は苦痛に満ち、脂汗をかいています。
声は弱く呼吸は速いです。
近くに、数分前まで彼の一部分だった右腕が、
ビニール袋につめられてあります。
床には、ベルトコンベヤからつながる血痕が落ちています。
 
患者の左腕の脈は弱く早い。
「ショックだ!酸素は続けてください。
左手から、点滴を入れます。
太い針で緊急輸液を全速力で開始します。」
この瞬間、この砂埃まみれの作業場が、
病院になります。
ケガが腕だけか、
胸も怪我しているかを超音波と聴診器、
酸素飽和度計で調べます。
痛み止めの麻薬を注射します。

私は、立ち上がり、携帯電話で救命救急センターのコードブルーを鳴らします。
「砕石場の患者。
ショック状態。
切断面は止血済み。
酸素投与と、輸液全開で運びます。
手術室の用意をお願いします」

患者は、ドクターヘリに収容されました。
現場を離陸して、わずか5分で、
オレンジ色の病院ヘリポートに到着です。
救急室では、救急科医師、
整形外科医師、放射線技師、看護師、麻酔科医師の診察と治療が開始されました。
すばやい判断と連携で、患者はアッいう間に手術室に運ばれました。
その7時間半後、彼の右腕は再びもとの位置にくっつき集中治療室に入院しました。

ショックの治療、すばやい搬送。
そして正確な手術。
ドクターヘリとその仲間たちの連携の勝利です。
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救急科専攻医はドクターへりやドクターカーで現場に出動する研修プログラムが選べます。



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