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林 寛之 救命救急のディシジョンメイキング 書評

2016年11月06日 18:23

[救命救急のディシジョンメイキング] 
福井大学医学部附属病院 救急総合診療部 林 寛之


集中治療となると、どうしても重症患者で思うようにいかないことも多い。
確かにひとつひとつの臓器を系統立ててみていき、
じっくり対応していくのがICUの醍醐味ではあるものの、
先輩医師のアドバイスや病院のルーチン治療が、
本当に世界標準の治療かどうか不安になることも多いだろう。

そんな不安を持つ初学者にとって本書は福音だ。
集中治療の基礎となる思考過程がしっかりと最近のエビデンスに沿って解説されており、
判断に迷ったときの心強い助け船になる。
各章終わりの論文が実に多い!
ウンチクを垂れるには絶好の本・・・あ、買いたくなったでしょ?

近年では超音波を集中治療でも使いこなすのが一般的になっており、
RUSHプロトコールはすべての重症患者を診る医師の必須の技術と言える。
また肺の超音波検査に関して一章割いており、
BLUEプロトコールは括目に値する。
・・・ほうら、買いたくなってきたでしょ?

時代を反映して、老年医学と緩和ケアも網羅している。

一見、高額医療になりがちな集中治療とは縁が遠そうなテーマだが、
今や救急医療≒老年医療と言ってもいいくらいだ。
家族を交えてきちんとコミュニケーションをとることも集中治療では非常に大事なことになっている。
集中治療って患者さんは気管挿管されて、口下手でもいいやと思っていたら大間違いなんだ。
ほうら、ますます買いたくなったでしょ?

ハンドブックと言いながら、
結構分厚い本になっており、
単に手順を書いたマニュアル本との違いが明白だ。
どうしてそうなったかという経緯や理論が丁寧に記載されており、
特に研修医や後期研修医にとってはむしろ理解が深まり覚えやすくなっている。
また豊富なエビデンスを理解したうえで臨床応用できるので、
自信をもって患者の治療に専念できる。
そう「井の中の蛙」ではない、
標準的治療を目の前の患者さんに適応しているという気持ちをもって、
胸を張ればいい。

また初期研修医や後期研修医が何を理解していないのか、
何を教えると理解しやすいのかというヒントを指導医は本書から得られるだろう。

ERと集中治療は一連のつながりがあるべきであり、
ER医もICU医もエビデンスに沿って有機的に連携していかないといけない。
そういう意味でも本書を皆さんの施設の救急外来に一冊、
ICUに一冊、医局に一冊、枕元に一冊、家のトイレに一冊
・・・テヘペロ!

林 寛之



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