頸部外傷サンダーバード作戦その3

2016年10月22日 18:17

現場の野田隊長には、
八戸ドクターカーと
青森ドクターヘリの
空陸同時出動のサンダーバード作戦が発動されていることことがすぐに伝わった。

青森ドクターヘリは、日没間際の空に離陸した。
向かうは、八甲田山の東側、
○○市。
青森ドクターヘリが離陸したころ、
東医師の乗るドクターカーはすでに高速道路のインターを目指していた。
だが日曜夕方の八戸市内の道路は渋滞していた。

東医師には消防無線で、
患者情報が入った。
「傷病者1名。
男性。
頸部外傷、
ガラスが突き刺さったため。
出血性ショック」
東医師は、ドクターカーの荷台から
青い外傷バッグを引っ張り出した。

青森ドクターヘリは順調に飛行した。
○○市上空に入った。
同じ情報が高度450mの113Dに伝わる。
「花田先生、日没が迫っています。
収容病院はどうしますか。
どちらでも選択できるのなら、
青森市に帰った方が、
日没のことを考えるといいです」

上十三消防指令センターは、
傷病者1名で、
青森ドクターヘリが着陸態勢に入ったことで、
八戸ドクターカーのキャンセルを無線で
東医師に伝える。
「キャンセル了解。
これより八戸へ帰ります」東医師
ドライバーはピーポーサイレンのスイッチを切った。
サンダーバード作戦での、
ドクターカーの出動が不必要になった。
ドクターカーは静かに国道を引き返した。

現場では、二人の救急救命医士が、ショックに対する輸液を開始していた。
血圧48/36.呼吸数40回、脈拍120回。
意識はぼんやりしている、呼びかけで目をあく程度。
頸部からの出血による出血性ショックだ。
急速輸液を行い、
現場を出発し、ドクターヘリとのランデブーポイントへ移動する。
野田隊長はざっくり切れた頸部の出血に両手を入れて圧迫止血を試みる。

(続く)


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