サンダーバー作戦 県境 その6

2016年09月14日 18:38

後ろのドアは開けておいて。
ドクターカーの医師が着いたらすぐに参入してもらうから。
運よく今日は気温が高い。
患者が冷えることはない。
私は、銀色の喉頭鏡を持ち、
「気管吸引と、嘔吐時の膿盆を準備してね、
それからバッグバルブマスク酸素つきで」と言った。
喉頭鏡を喉に押し込んでも、患者は抵抗しなかった。昏睡状態だ。
『鎮静は不要、このまま、ソウカンするよ、喉押さえて』
溺水だと嘔吐することが多い。
輪状軟骨を押さえて後ろの食道をつぶす。
この手技をselick法といい、嘔吐予防になる。
救急車は、右しかあいていない。ERでは、患者の両側から介助の手が出るが、救急車ではそうはいかない。
喉頭は、良く見えた。
気管ソウカンの技術は、
管を入れる技術ではなく、
声門を見るための喉頭鏡を押し込み、
引き上げる技術だ。
「声門通過、そして2cm進める」はっきりとした声で回りに伝える。
『カフは10cc空気を入れて』
『口のところで、チューブの根元を持ってちょうだい』
『チューブの位置確認するよ、バッグバルブをこっちに、酸素は10l』
『胸郭挙上よし、胃の音良し』
聴診器を耳につける
「五点聴診、右、左、下、下、胃の音良し、五点聴診良し。固定お願い」
『サチュレーションをチェック』
ここまでは順当だ。
も一度、血圧を見る。
モニターを見る
『脈拍45、なぜ徐脈なんだ?
冷や汗はかいていない、血圧低下なし、
昏睡状態、目撃者ありの突然発症』
『西川さん、先に血糖チェックして、
体温が下がっているので、
血管が収縮して血管確保は一度でうまくいかないかもしれないから』看護師に頼んだ
『八戸ドクターカー1現場到着、』救急車内の無線が響く
10時12分ラピッドドクターカー現場到着
(続く)


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