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サンダーバー作戦 県境 その5

2016年09月13日 18:55

もう一回左旋回する。
「八消○○より、八戸ドクターヘリ1どうぞ、
誘導開始する」
「八戸ドクターヘリ了解」
高度を下ろす。
漁師の帽子が飛びそうになり、手で押さえて男がいる。
赤い服の女は、顔を舌に向けて、風をしのいでいる。
海岸の細かいごみが飛び散る。
ゴーグルを当てた消防士がこちらを見つめて、
両腕を上げさげする。
運よく、道路を通過する車はいない。
「下りますよ」機長
整備長は、大きく体を出して、着陸地の起伏を確認する。
「後ろはOKです」

私はEC135の後部ドアの窓から後ろの安全を見つめる。
丈の長い海芝が揺れる。
海岸に、設けられた緑地帯にEC1356は停止した。
整備士が左ドアを開けた。
私、看護師の順で降りる。
まだ、メインローターは回っている。
長身の私は腰を曲げてヘリコプターから直角に遠ざかる。
5m離れれば、もう風はほとんどない。
走る先は、20mの救急車。
ハッチがあけられて、出迎え体制十分。

9時55分着陸 階上町道仏海岸
9時56分患者接触
第一印象sick,重症だ。
気道開通、
呼吸浅い、
循環良し、ただし徐脈。体は冷たい。
意識E1V1M4痛み刺激で、逃げるだけ。
目は開かない。
「原因は何だ」脳をフル回転する。
「最初に気管ソウカン、
次に血糖検査、
それから輸液、
最後にエコーと心電図。
体温測定はヘリで」
(続く)


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