2歳出血性ショックER開腹術 その1

2016年03月02日 18:55

ドクターカーV3で行うPCPSは手術行為である。
しかし、大掛かりな手術ではない。
命に関わる緊急事態ではあるが、
チューブを2本入れるだけの手術。
だけど、長い器具を使うので、
清潔な広い空間が必要。
だから、開発したドクターカーV3.

先日、衆議院総務撃委員会でも取り上げられた。
(この件は後日別な記事にします)
青森県の現場の要望に応えたい」と、
厚生労働省の答弁だった。

ドクターカーV3の開発には青森県から補助金をもらっていた。
地方病院と地方工業大学が
中古車を買って。

ここでは、手術室以外で緊急手術を行ってきた、
これまでの前例をシリーズで再掲載しています。
手術室以外で手術をする前例。
世界中の多くの病院では経験していない。
国内の先進的施設でしか、
行われていない。
究極の救命救急手術。
気道、呼吸、循環、意識、体温の次に清潔。
究極の場面では、
命をつなげることだけが最優先。
まずは、命。
スピードで命。

症例は子供。
・・・・・・


女児が転んだ。
道路で。
普通なら、母親が直ぐに抱き上げる。
しかし、
母親の反応より早くトラックが女児の上を通過してしまった。
車のタイヤの隙間を何とかすり抜けられれば

そんな願いより現実は残酷。
頭、顔、胸、腹部をタイヤが通過した。
女児は泣き声も上げる暇もなかった。
タイヤが通過したあとの女児は全く動かなかった。

頭が真っ白になった母親。
運がいい。
少し先に、診療所の看板が見えた。
母親は、女児を道路から救い上げて
その病院へ向かった。

ドクターヘリは猛スピードで現場へ向かう。
ドクターヘリ空飛ぶDr (500x282)

ドクターヘリで現場に着いた河野医師から
ダイレクトブルーに電話が入った。
受けたのは軽米医師
「冷や汗あり、頻脈、顔色不良、意識障害、超音波異常なし、
輸液1ルートで離陸します」

私は、軽米医師に再確認した。
「重症、軽症?」
「重症です。
意識障害、頭部外傷かと」

離陸したJA112Dから無線が入る。
ドクターヘリは医療無線でCSと話をする。
八戸ヘリと青森県病ヘリの医療無線の周波数は同じ。
高度400mに上がると、
双方の無線が重なる。
その時は、どちらかが譲る。
現場に向かう方が優先。
去る方が無言。

八戸に近づいたJA112Dから無線が入った。
「酸素飽和度低い。肺挫傷ある。
開眼も刺激でする程度」河野医師

16時32分八戸ヘリポート着陸
女児は直ぐにERへ向かった。
移動しながら意識を確認する。
声が出ない。
眼が開かない。
手を動かさない、

吉村医師は先に走った。
「ソウカン準備だ。
GCS4点」
(続く)


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