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手術室以外で手術、ERでPCPS装着術 その3

2016年02月27日 18:05

私は、しらかみのメインローターのダウンウォッシュの外20mで待機していた光銭医師に駆け寄り
「偶発性低体温症。頚動脈触れず。呼吸あり。
手足は動く。E1V1M5。気管挿管、大量輸液。
血糖検査。十二誘導心電図。
FASTをグラウンドで行います。
頚動脈は触れなくても、動いているので心臓停止ではない。
CPRは不要」

消防隊は、プライバシー保護のためシートで壁を作る。
その壁の中で緊急処置が始められた。
バッグマスクで呼吸補助する。
輸液ルートを取るために、両腕をゴムの駆血帯で巻いたが、静脈は、見えない。
冷たい皮膚、乾いた皮膚だ。
低体温症のため、血管が縮んでいる。さらにひどい脱水だ。
右ソケイ部を触ったが、やはり動脈の拍動はない。
心電図計は、心拍数1分間に18!。Jwaveが見える。
Jwaveの振幅が大きく、幅が広い。
「体温は28度は軽く下回っているな」私の声
「計れないかもしれないけど、鼓膜温を見てみて」私の声
看護師は、耳に体温計をあてがう。
「Lowです」看護師の声
血管確保困難。
これよりソケイ部に、挑む。
普通、そけい部の静脈を穿刺する場合は、
動脈の拍動を触れて、そのすぐ内側に針を進める。
しかし、今日は、かんじんの動脈の拍動が分からない。
こんなときは、経験がものを言う。
16Gの太い留置針を持って、ここだと思ったところに、一気に針を進めた。
少しの抵抗を張り先に感じ、それを貫いたところで針を止めた。
針につけた注射筒に陰圧をかけた。黒い血が逆流する。よし、ここだ。
針の外のテフロン部分を押し込む。穿刺成功!
ドクターヘリ内で事前に暖めておいた生理食塩水を、急速に入れる。
点滴の外側には、加圧する袋をつけて、点滴を搾り出して急速輸液開始だ。
「血糖は?」私の声
「60です」看護師の声
血糖は60で低い。50%ブドウ糖を40ml注射する。
低体温症ではよく血糖が下がる。
気管挿管に移る。
瞬きはしないし、喉の反射もない。瞳孔の光反射もない。
しかし、口を開けず、管を入れることに、男は抵抗した。
いつ心臓が停止するか分からない状況。喉の反射はない。
意識はGCS7.頚動脈触知できず。やはり、気管挿管が必要だ。
麻酔薬のプロポフォールをわずか1ml注射する。
10秒後に開口できるようになった。
光銭医師は、挿管する。
「頭部、頸椎外傷もあるよ。頸椎を保護するよ」私の声
一発で成功だ。
「ヘリ収容!八戸市立市民病院!」
(続く)


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