手術室以外で手術、ERでPCPS装着術 その2

2016年02月26日 18:01

手術室以外で手術、ERでPCPS装着術 その2

発見されたのは、心配していた岩肌のある沢の下。
意識がない、動かない。
緊急事態であることが、防災ヘリに伝えられた。
日の出から捜索していた、防災ヘリは、すぐに現場上空に向かった。

レスキュウ隊は、上空から、ヘリに吊り下げられて、
沢の下に降下した。次々に降下する。
3名の隊員が地上で救急処置を開始した。
意識二桁、ドクターヘリ要請!

9時53分ドクターヘリホットラインが鳴る。
30分前から、ドクターヘリ通信司令室では、
県の消防無線を傍受していた。
十和田湖の北で展開している救出劇に注目していた。
無線では、防災ヘリしらかみと十和田消防の無線交信が頻回となって来た。

ドクターヘリのミッションは
「十和田市運動公園で、防災ヘリしらかみとコラボレーションしろ。
傷病者は、遭難3日目の男性一名。
意識障害あり。至急出動」
9時57分ドクターヘリ離陸。
高度100mまで鮮やかに上昇し、機首を北西に向けた
地上の風は南西から弱い。上空は弱い西風。
北西の空は、青く晴れ渡っている。
EC135の白い機体はまったく揺れない。
青い空に白いEC135.美しい光景です。

私たちは上空では、消防無線に注目します。
「隊員3名降下し、ただいま固定完了。これからホイストする」防災ヘリの声
・・・・・・
「青森ドクターヘリ1から十和田消防本部。
青森ドクターヘリはあと3分で十和田市運動場に着陸です。どうぞ」
「ドクターヘリは北側に着陸して下さい。
防災ヘリはグランドの南側です。どうぞ」
「着陸の場所の件了解。風向きを教えて下さい。どうぞ」
「無風状態です。どうぞ」
ここで、防災ヘリから無線が入る。
「防災ヘリしらかみから十和田消防本部。
しらかみは、ただいま傷病者を収容し、
十和田市グランドに向かう。どうぞ」
「十和田消防本部了解。ドクターヘリは先行着陸しています」

広い緑のグランドには、ジャージ姿の若者、ゲートボール風のシルバー世代が集っていた。
彼らは、消防隊により、トラックから出されていた。
たくさんのギャラリーの見守る中に、EC135は堂々と着陸した。

約10分後、南の空からエンジン音が聞こえてきた。
そしてすぐ後に防災ヘリの姿が見えた。スピードは速い。
ドクターヘリから50m離れて、しらかみは、芝の上に着陸した。
エンジン音が低くなり、メインローターの回転が落ちた。
右のドアが開けられ、防災ヘリ隊長が降りる。
オレンジのつなぎが眩しい。
白いヘルメットも素敵だ。こちらに近づきながら、手招きをしている。
ヘルメットには「亜美命」のステッカーが。
奥様の名前か、娘さんの名前か、
前から尋ねようと思っていたのだが、今回も聞きそびれた。

わたしは、背を低くして、防災ヘリに近づいた。
それから防災ヘリのステップを踏み、中に入る。
傷病者は、青いバックボードに固定されて、酸素マスクがあてがわれていた。
第一印象は「Sick」重症だ。
呼びかけで反応なし。呼吸浅く8回。
脈拍はソケイ、頚動脈で触れず。
痛み刺激で、手で払いのける動作をする。
顔色は土色。
ABCDすべてに異常がある。
生命に危機的状況だ。
「しらかみからおろしてください。
ドクターヘリのストレッチャー上で緊急処置を開始します」私の声
しらかみの隊員は、わたしの号令ですばやく動き出した。
(続く)



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