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手術室以外で手術、ERで開腹開胸手術 その4

2016年02月21日 18:12

腹部は、肝臓が大きく砕け、
肝臓を圧迫するタオルも無力だ。
不思議なことに、術野から冷たい血液が湧いてくる。
やはり、下大静脈が破れているのか。
だとしたら、最重症だ。
肝臓をそおっと、背中側に押し込める。
下大静脈の穴を肝臓で塞ぐ。

それでも、出血は続いた。

「両側開胸するよ。
たちハサミをだして」
前田看護師は、私に、
工業用ハサミをあらかじめ滅菌して置いたものを渡してくれた。
左は第5肋間、
右は第4肋間で開胸する。
間の、胸骨を立ハサミで切断する。
クラムシェル開胸だ。
直接下大静脈を縫合する視野を作る。
頭側からは、温められたFFPを入れる準備が始まっていた。
「低体温、アシドーシス、凝固障害、ショック遷延、
死の三徴出ているよ。
だけど、圧迫だけでは止血できない。
救命率低い」

私は、肝臓右を切除し、
下大静脈を縫合する心つもりでいた。

右心房を切開して、5mm気管チューブカフ付を心臓そして、
下大静脈に進める。
カフを膨らまし、下半身から流れてくる血液を肝臓周囲に回さない。
あらかじめ、5mm気管チューブの先端から8cmのところに、
横穴を二つ作っておく。
下半身の血液は気管チューブの中を通り、
心臓に帰る。
右心房の壁には細糸を縫ってかけておく。
5mm気管チューブと、右心房の壁を細糸で縛る。
肝臓には、下大静脈から血液が行かなくなった。
視野がとれた。
「よし、右肝臓を切除するよ、
右肝静脈を結紮するよ。
右肝静脈の切れた下大静脈を縫合止血するよ」
の、はずだった。
(続く)


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