手術室以外で緊急開胸手術 その4

2016年02月16日 18:54

救急車からヘリへ移動するときに、患者さんの左手が動いた。
「よし!搬送に気を付けて!」
通常、ドクターシートは患者さんの頭側だが、
左開胸をしているため、私は患者さんの左側のナースシートに乗り込んだ。

狭い救急車内でかけた大動脈遮断を確認する。
今度は、左側がよく見える。
再度大動脈遮断をし直した。

その時、徐々に心臓の動きが弱くなってきた。
それが見える。
アドレナリン投与の指示を出した。

淡路Nsは私に人工呼吸器の設定を確認し、
呼吸のホースを接続する。
輪状甲状靭帯切開からの挿管チューブは深く入りがちだが、
救急隊は指を動かさず、
この位置で固定といった位置で固定さしてくれていた。
気道管理は現場から完璧だった。
Speed迅速性
Skill手技
Stream流れ
3Sがうまくいっている。
本当にうまくいっていた。
困難な現場から救命処置がうまく行くときには、
奇跡が起こる。
劇的救命を信じて処置を続けた。

アドレナリン投与にもかかわらず、
さらに心臓の動きは弱まり、PEAになる。
私はヘリ内で再度直接心臓マッサージを開始した。
淡路Nsは時間管理を行いアドレナリンを投与してくれる。

病院到着2分前に心拍再開した。
「よし」
ヘリポートには、術衣 を着た栗原医師と山内医師
が迎えに来てくれていた。
気道管理は村田医師が引き継いでくれた。
(続く)


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