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ダイレクトに心臓カテーテル室 その4

2016年01月31日 18:04

胸痛が軽減した。
先ほどまで、会話できなかった患者だが、
麻薬、鎮静、ニトログリセリンの効果で
楽になったようだ。
「胸の痛みどうですか?」
「楽になりました」
だが、顔色はまだ不良だ。
伊藤研修医が心臓エコー検査をする。
大動脈解離で見られる心嚢液はない。
心臓の動きは悪くない。
大動脈解離で見られる両手首の脈拍の強さに左右差、
これはない。

14時28分EC135は患者を収容し離陸した。
家族は偶然に八戸で仕事をしている。
消防は家族に連絡を取った。
「直接八戸市立市民病院救命救急センターに向かってください」

八戸ERに送信された心電図は、タブレットで確認された。
ERで確認されると同時に、
循環器医師の持つタブレットで同時に確認された。
年齢、男性、症状、身体所見、心電図より
心筋梗塞の可能性がかなり高い。
循環器医師と藤田医師が相談する。
これだけ条件がそろえば、
ヘリポートから直接心臓カテーテル室に患者を入れようか。
その方が治療が早くできる。
全員が同意した。
今までやったことがない
ヘリポートから直接心臓カテーテル室へ移動。
多くのスタッフが連携する病院の総力戦だ。
こんな田舎の病院でもやろうとしている。
ナース、技師、医師、事務、多くの人間が数分後に運ばれてくる
一人の患者にために、
動き出す。
まだ、見ぬ患者のために。

現場滞在時間15分。
目標通りだ。
離陸したヘリコプターが水平飛行に入る。
高度400m。
飛行時間8分だ。
現場活動時間を目標の15分にするために、
省略したことがある。
それを飛行中に行う。
12誘導心電図モニターの画面では、
はっきりとST上昇が見えていた。
「工藤さん、
採血をしよう」
工藤ナースが患者の腕ゴムの駆血帯を巻いた。
そして、針を肘の血管に刺す。
心臓カテーテル治療に必要な血液を患者から抜く。
それを試験管に入れる。
(続く)


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