ツキノワ グマ その1

2016年01月17日 18:30

青森県と岩手県の県境には険しい山脈がそびえる。
ウサギ、カモシカ、タヌキ、キツネ、イノシシ、ツキノワグマなど
大型哺乳類が生息している。
山野めぐみは豊でひとが入らない山もまだある。

男性はもうすぐ雪が降りそうな晩秋の午後、
山に入った。
歩き疲れたので、
腰掛に調度いい高さの倒木に近付いた。
後ろ向きに腰かけたところ、
その倒木に下から、
動く気配がした。
振り返ると、
黒い大きなものが動く。
黒い獣が男性に覆いかぶさってきた。
黒い獣は、
男性の背丈くらいの大きさだが、
両腕を上にあげて、
万歳するような形になり、向かってきた。
腕の先まで入れると、
男性の背丈をはるかに超えた。
「クマだ」
直ぐに、クマを認識できた。
逃げる間のなく、
クマはいきなり、殴ってきた。
身をよじるとかできる距離ではなかった。
頭に直撃、
顔にもう一発、
次に、右手に噛みついてきた。
剣道で言えば
「面、面、小手」
倒れた男性は、
反撃する事は出来なかった。
死ぬと思った。
自然に声が出た。
しかも大声。
クマは男性の手首から口を離した。
男性は力の限り叫んだ。
叫び続けた。
するとクマは走って森の中で消えていった。
男性は血だらけだった。
休むことはしなかった。
恐怖ですぐに、現場から逃げたかった。
だが、走れなかった。
ゆっくり歩いて麓に向かうしかなかった。
約1km。
携帯電話は不通地帯。
血だらけで、麓の親戚の家に向かった。
足がやられなかったのでなんとか歩くことはできた。
痛みが強かった。
(続く)


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://doctorheli.blog97.fc2.com/tb.php/2275-dd3e11e2
    この記事へのトラックバック